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41話:虎の末路

島左近清興だ、ワシらは例の虎と戦い手傷を負わせたが、寸前で虎には逃げられ、現在は村人たちと合流した


「「ごめんなさい(泣)」」


「「申し訳ありません!」」


先程、保護した男子と女子(後に姉弟と判明)は泣きながら謝罪した。偶然、虎退治の場に入ってしまい、仕留め損ねてしまったことを後悔していた。二人の親御さんも虎退治を邪魔してしまったことを謝罪した。罰が悪そうにベーカリーは次の事を述べた


「今さら悔いてもせんないが、問題は奴さんがどう出るかだ。手傷を追ってはいるが、奴さんは本気ガチで村に来るぜ。あんたらも昼夜問わず、常に警戒は続けた方がいいぜ。」


村人たちはぞっとした表情をしていた。ただでさえ虎の恐怖に怯えてながら生きながらも、村に虎が現れることはなかったが、今度ばかりは違う、確実にこの村を襲撃すると・・・・


「そ、村長、今すぐにでも村を出よう!」


「逃げるってどこへだよ!虎は常日頃から俺たちを狙ってたんだぞ!」


「じゃあ何か!大人しく食われろって言いたいのか!」


「そうは言ってねえだろが!」


「落ち着け、落ち着くんだ!」


村人たちは徐々に言い争いになり、何とか村長が宥めているが一向に争いがやまない


「元を正せばその二人が虎退治の邪魔をしたからこんなことになったんだ!」


「それにあんたらがその二人を見ていなかったから、こうなったんだ!」


やがて村人たちが例の親御と姉弟を責めた。お前たちが邪魔をしなければ虎を仕留めることができたのだと・・・・・


名指しされた親御と姉弟は何も言い返せず後悔に満ちた表情にいると・・・・






「喧しいわ!!」





ワシは雷鳴の如き一喝に村人たちは一斉に驚き、先程の言い争いが無くなった


「今は喧嘩しておる場合ではないだろ!どちらにしろ、虎を仕留めぬ限り、いつまでもこのような地獄が続くぞ!」


村人たちは左近の一喝に黙りこくった。村人たちも冷静になり、虎を仕留めなければ、この地獄は続くと・・・・


「じゃあ、どうするんだよ、虎はどう出るか分からないんだろ!」


「ああ、どう出るかはワシらにも分からぬ。だが迎え撃つことはできる。」


「迎え撃つ!どうやって!」


「餌だ。」


「餌?」


「死んだ村人の躯だ。」


ワシは村人たちにある策を提案した。そう最近、死んだ人間の躯を餌に虎を誘い込むことだ。かつて羊の躯を餌に熊の親子を誘き出し仕留めたのだ。それを聞いた村人たちは・・・・


「いくらなんでも、それは酷いんじゃないか!」


「そうだ、家族を食われた者もいるんだぞ!」


「お、俺は反対だ!」


村人たちは案の定、反対だった。ワシは未だに自分たちが置かれている状況に気付いていないことに呆れて物が言えなかった。そこへベーカリーが助け舟を出した


「じゃあ、聞くがあんたらは、何か考えでもあんのか?」


ベーカリーが尋ねると村人たちは黙りこくった。これにベーカリーは舌打ちし・・・・


「ちっ!何もねえんなら、いちいち口出すするな!この腰抜け共が!」


ベーカリーの一喝で村人たちは悔しさでいっぱいになった。村人たちは話し合った末、渋々、了承するのであった


「礼を言う。」


「礼を言うのはまだ早い。虎退治が済んでからだ。」


「ああ。」


「意外だな。いつもはロゼットなしでは生きられない男が。」


「ヨイチ、俺は公私混同はしない主義なんだよ。今回は仕事で来てるんだからよ。」


「意外だな。」


「何だ、惚れ直したか?」


「今の言葉がなければな。」


「そいつは残念。」


その後、村人たちは死んでから、それほど日が経っていない村人の躯を見える場所へと集めた。村人たちはの中には死んでもなお、身内を虎の餌にしなければいけないことに耐えられず涙を流すものもいた。死体を並べた後、与一は無味無臭の痺れ薬を死体に混ぜた。作業が終わらせた後、ワシは村人たちにポーションを飲ませた。万が一、躯に触れて病にかかっていたら不味いからな。念のためにワシ、与一、ベーカリーもポーションを飲んだ


「良かったのか、そんなにポーション使って。」


「心配無用だ。」


特典のおかげでポーションを無限に出せるようになった。ワシとしては懐を痛まず、回復できるから万々歳だが・・・・


「村の者は家屋に入り、じっとしていろ。ここから先は戦だ。」


村人たちはワシらの指示に従い、それぞれ家屋に入った。ワシらは風下のない場所へと移動し虎が来るのを待った


「左近様、奴は動きますかね。」


「奴とて獣だ。腹をすかせれば必ず動く。」


「問題は奴さんがこっちに来るかだな。」


「こればかりは天のみぞ知るだ。」


ワシらは周囲を警戒していると、遠くの草むらがガサガサと音を出した


「出た。」


ワシらの前に現れたのは例の虎だった。躯に近付くと思ったら周囲をぐるぐると警戒し始めた


「流石にすぐには動かないか。」


「ここからは根競べだな。」


「御意。」


ここからワシらと虎の根競べが始まった。虎はすぐに躯に食らい付かず、周囲を警戒していた。ワシらも物音一切立てず、虎の警戒を解くのをじっと待っていた。どれくらい時が経ったか分からない、虎はグルルと威嚇をしつつも目の前の餌に涎を垂らしていた。すると虎は躯に近付き、前足で躯に触れた。何もない事を確認した後、虎は躯を食らい始めた


「食ったぞ。」


虎は痺れ薬の付いた躯を食らい始めた。よほど腹をすかせたのか虎はムシャムシャと味わっていた


「ガウ。」


虎は途中で食べるのを止めた。虎はガクガクと震えながら、躯から離れようとした


「よし今だ!」


与一は吹き矢を用意し、麻酔針を発射させた。今度は狙いは正確であり虎の胴体に刺さった


「ガオオ!」


虎は動かない呻き声を上げ、トボトボと森のへと歩いていった。虎は痺れ薬と麻酔針によって体が自由に動かず、その場でぐったりとなった


「痺れ薬と麻酔針が効いたようだな。」


ワシらは虎の跡を追うと、ぐったりした姿の虎を見つけた。ワシらは虎の背後を周り、それぞれ得物を持って一斉に止めを指した


「グギャ!」


虎は呻き声を上げた後、その場で息耐えた。何とも呆気ない幕引きだった


「終わったな。」


「あぁ。」


ワシらは虎を仕留めた事を報告するために村へ行こうとしたら・・・・


「キャアアアアア!」


村の方から悲鳴が聞こえた。ワシらは駆け付けると村中が大騒ぎになっていた。するとそこへ家屋の中から一頭の虎が現れた


「もう一頭いたのか!」


まさか虎が2頭いたとは思っておらず、迂闊だった。虎は無作為に村人を襲い掛かった。与一は屋根に登り、再び吹き矢を用意し、麻酔針を発射した


「グアア!」


虎は呻き声を上げると襲った村人から離れて、ワシらの方へと突進していた。ワシは朱槍(短槍)、ベーカリーは大薙刀を構えた。虎は先にワシに襲い掛かった。ワシは手裏剣を出現させ、虎を目掛けて投げると、手裏剣は虎の右目に突き刺さった


「グアア!」


虎は呻き声を出したが、構わずワシに突進してきた。ワシは朱槍を構えつつ、円を描くように回転し、虎の攻撃を避けつつ、槍を虎の後ろ足に突き刺した


「ガアアアアア!」


虎は呻き声と苦痛に満ちた表情をした後、その場を離れようとしたが、後ろ足にできた傷による痛みで、トボトボと歩きながら森の方へと向かった。ワシらは虎の跡を追うと、麻酔針が効いたのか虎はその場でぐったりしていた。そこへベーカリーが虎の背後にまわり、大薙刀で振り下ろした


「グギャ!」


虎は大薙刀の一撃でその場で息耐えた


「ちっ!手間取らせやがって、この外道が!」


その後、虎は2頭回収した。幸い村人たちは負傷したものの死者は出なかった。調べた結果、虎は2頭とも全長300cm、体重は250kgほどの立派な雄で2頭とも腹の中には人骨が見つかった。村人たちは棒を持ち、2頭の虎を力一杯叩き付けた。死んだ仲間の仇を取りたかったのかは分からないがもはや死者は戻ってこない。ワシらはそれを黙って見続けるのであった







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