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22話:直筆の手紙

島左近清興だ。ワシらは王都で暗躍していたジュリアス王国の隠密たちを成敗した後に頭を元王太子を救出した後に国王より褒美を賜り、辺境伯屋敷に一泊し、ギルドへと帰った


「さ、サコンさん、よ、ヨイチさん!」


ワシらは今、ギルドにいる。ビルデは緊張した面持ちでワシらと応対した。何があったのだろうと思い、聞いてみた


「如何された?」


「は、はい!」


「サコンさん、ヨイチさん。」


そこへこのギルドの長であるオークラ・ホールドがやって来て、ワシと与一は別室へと案内された。別室に入り、ワシらは席についた。オークラもビルデ同様、緊張した面持ちだった


「先程からどうされたのです?」


「あ、ああ、実は・・・・」


オークラも緊張した面持ちの状態で左近と与一にある文箱を渡した。その文箱はシュバルツ王国の御紋が入っており、それもワシら宛である


「これはシュバルツ王国の御紋の文箱ですな。」


「さ、サコンさん、よ、ヨイチさん、お、畏れ多くてもシュバルツ王国国王陛下からの貴殿方宛に直筆の手紙が入っております!」


何と文箱の中に入っているのはシュバルツ王国現国王であるロバート・シュバルツ直筆の手紙だった。流石のワシも与一もこれは予想外だった。まさか国王本人から手紙が来たなんて前代未聞、異例中の異例だからだ


「とりあえず中身を確認しよう。」


ワシも内心、緊張している。何せこの国の国王、現世でいうと天子様に相当する御方だ。その御方から直筆の書状を賜ったのだ。ワシは文箱を有り難げに掲げながら、頭を下げ、文箱を開けると封をした手紙があった。ワシは封を切り、書状を広げた。手紙の内容はこうだ






【サコン・シマ、ヨイチ・ソウマへ】

「此度のその方らの働き、誠に見事であった。その方らの働きあって国は救われた。改めて礼を言いたい。ブリュッセル辺境伯もそなたらの働きに感謝している。それとロゼオを救ってくれた事は感謝する。廃嫡の身だが、息子である事は事実、あの者には流罪という形で静かに余生を送って貰うつもりだ。それとは別の話だがセシリア嬢だが従弟で養子に入ったオシリスと婚約する事になった。セシリア嬢は私も実の娘のように見守っていた。だからこそ幸せになってほしいと願っている。サコン・シマ、ヨイチ・ソウマ、改めて国を救ってくれたことに感謝する。」【ロバート・シュバルツより】





「有り難き幸せ!」


ワシは書状を有り難く掲げた。与一もオークラもワシの様子を見て、お褒めの言葉を賜ったと確信した


「さ、左近様、書状の内容は・・・・」


「サコンさん・・・・」


分かってはいてもやはり内容が知りたいようだ


「畏れ多くも国王陛下よりお褒めの御言葉を賜り申した。」


「それは誠にございますか!」


「疑うなら見てみるか?そなたの事も書いてあるぞ。」


「い、いいえ!畏れ多くて目が潰れてしまう気持ちにございます!」


与一もまさか自分にお褒めの言葉を賜るとは思ってもいなかったようだ。元は忍び、犬猫同様の扱いだった忍びがまさか天子様と同等の御方からお褒めの言葉を賜るのだから、気が気でいられなかった


「私もこのギルドを管理して、畏れ多くも国王陛下より手紙を賜ることなど滅多にございませんでした。」


オークラも生まれて初めて国王陛下直筆の手紙がギルドにやってきた時は心臓が止まるかと思ったとのこと、先程のビルデのあの態度には不自然さを感じたがまさか国王陛下直筆の手紙が届いたと知ると分からんでもなかった


「左近様、この書状、如何いたしましょうか?」


与一は書状をどうするのか聞いてきた。国王陛下の直筆の書状のどう保管するかということだろう


「与一よ、あの箱【無限収納箱】があるだろ。」


ワシがあの箱と言った瞬間、与一は納得した表情をした。転生特典の1つ【無限収納箱】は収納制限がなく品を入れることができ、長期保存が可能で、念じれば保管した品が出てくる代物である


「オークラ殿、今日は御世話になり申した。」


「いいえ、私も肩の荷が降りた気分です。」


ワシと与一とオークラらは国王の手紙に戦々恐々としつつも何とか終わりを告げることができた。此度の事はワシにとって別の意味で疲れたわい・・・・


それから数日後、今度はブリュッセル辺境伯家から手紙と褒賞が届いたので受け取りに来てほしいとの事で再びギルドへ尋ねた


「サコンさん、ヨイチさん、お待ちしておりました。」


数日前は緊張しまくっていたビルデはやっと解決したことで安心して応対していた


「知らせを聞いて参った。」


「はい、こちらが褒賞と手紙にございます。」


ビルデはブリュッセル辺境伯家から送られた褒賞金と手紙をワシらに渡した。ワシらは宿へ戻った後、早速、封を切ると、中に2通の書状を入っており、ブリュッセル辺境伯とセシリア・ブリュッセルの名があった


「左近様、辺境伯公とセシリア嬢からですな。」


「うむ、どちらから読むか。」


「まずは辺境伯公から読みましょう。」


「そうだな。」


ワシはブリュッセル辺境伯の書状の封を切り、手紙を広げ、呼んだ





【サコン・シマ殿、ヨイチ・ソウマ殿へ】

「サコン殿、ヨイチ殿、此度、国を救っていただき、誠に感謝している。陛下からもお褒めの御言葉を賜り、我が家にとって名誉な事である。それは置いといて、もし御二方が仕官を望んでいるのなら、いつでも待っている。改めて本当にありがとう。」【ブリュッセル辺境伯より】





「左近様、まだ仕官の事、諦めておりませんでしたな。」


「ふふ、それは置いといてセシリア嬢の書状を見てみるか。」


今度はセシリア嬢の書状の封を切り、手紙を広げ、呼んだ





【サコン・シマ殿、ヨイチ・ソウマ殿へ】

「サコン殿、ヨイチ殿、此度は本当にありがとうございました。私事ですが、義弟のオシリスと結婚の約束をいたしました。オシリスが私の事が好きだったようで、此度の一件で私が婚約破棄を知った時から私への想いが強くなって告白を受けました。弟のように思っていたオシリスがそれほど思っているとは知りませんでしたが、オシリスの熱烈な思いを受けることにしました。両親もどこの馬の骨とも分からない男よりも良いということで結婚することになりました。陛下からもお祝いの御言葉を賜り、両親も大変喜び、私も嬉しさで胸がいっぱいです。それもこれもサコン殿、ヨイチ殿のおかげです。どうかお元気でお過ごしください。」【セシリア・ブリュッセルより】


「セシリア嬢もお元気そうですな。」


「ああ、まさか義弟と結婚するとはな。」


「二人が結婚することができたのは皮肉にもあの元王太子ですからな(笑)」


「ああ、人生何が起こるか分からぬな(笑)」


左近と与一はセシリアが幸せに過ごすことを遠くから見守るのであった


一方、シュバルツ王国とジュリアス王国の国境付近の屋敷にてシュバルツ王国現国王であるロバート・シュバルツとジュリアス王国新国王ギルト・シュバルツの対談が行われていた


「ギルト殿、国王就任おめでとうございます。」


「ありがとうございます。」


「それと此度、お父上と弟君の御不幸、御悔やみ申し上げます。」


「痛み入ります。ロバート殿も御子息を御廃嫡の事、御悔やみ申し上げます。」


「痛み入ります。」


互いに挨拶をし、身内の不幸を皮肉混じりで答えあった二人はこれからの事について話し合った


「さてギルト殿、我が国と貴国は末長く友好関係を結んできた。我らとしてもこれからも貴国との友好を結んでいきたい。」


「それは我らとて同じことのように貴国と友好関係を続けていきたいと思っています。」


互いに注視しながら、お互いの願いと策略を巡らせ合いながら、話し合いが無事に終わった


「ギルト殿、これからもよろしくお願いいたします。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


ロバートとギルトが互いに握手をした後、会場を離れ、屋敷を出た。互いに自分達の領地へ帰る途中・・・・


「ギルトか、食えぬ男よ。」


「ロバート・シュバルツ、恐ろしい御方だ。」














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