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149話:経緯

島左近清興だ、マーリー・サラシリアはこの国に来た経緯を語り始めた。彼女の母はサラシリア伯爵家のメイドでサラシリア伯爵と男女の関係になり、マーリー・サラシリアを身籠った。本妻の嫉妬を恐れた伯爵は、メイドを辞めさせ、自分が治める領土の田舎町へと住まいを移させた。その後、メイド(マーリーの母)はマーリーを出産し、伯爵から養育費を受け取りつつ平民として暮らしたそうである


「ほお~、元は平民だったのだな。」


「はい、国外追放や身分剥奪された事で元の平民に戻ったという他はありません。」


「それで貴族の令嬢になったきっかけは何なのだ?」


「はい、それは私が8歳の時に母が病で亡くなった事です。」


マーリーが8歳の時、母が病で亡くなり、それを知った父であるサラシリア伯爵はマーリーを引き取り、サラシリア伯爵家に入った。本妻は既に亡くなっており、また子供がいなかったため、マーリーは平民の少女から貴族の令嬢になってしまったのである。貴族の令嬢としての教育を受け、マーリーは必死で覚えながら、貴族の令嬢として活動しその後、王命でルイス・ブレメルン王太子と結ばれた。最初の内は良好な関係を築いたがある令嬢の登場がきっかけで婚約破棄へと突き進んだ。令嬢の名はリルル・エリトリア男爵令嬢である。王太子ルイスと浮気相手リルルがキスをしているところをマーリーは目撃したとの事である


「どこの国でもうつけものがおるようだな。」


「左様ですな。」


いつかは分からないがマーリーがリルルに嫌がらせをしていると噂が立った。勿論、マーリーは嫌がらせを行った事はしていない。父であるサラシリア伯爵にも報告したという。報告を受けたサラシリア伯爵は国王に報告し、エリトリア男爵家にも抗議文を送り、例の噂は止み王太子ルイスは謹慎の上、再教育をすることになった。エリトリア男爵家は謝罪文と慰謝料を支払う事で決着がついた。一時は婚約解消話があったが、国王は二度とそんな事がないように再教育するらしく、保留となったのである。しかし王太子ルイスと婚約者であるマーリーとの間に亀裂が生じたのは言うまでもない。謹慎が解けたが、2人の仲は修復するわけではなく、会ってもルイスは不機嫌を隠さず、舌打ちもした。側近らはルイスを注意し、国王に報告した事で再び再教育することになった。それから数日後に事件が起きたのである、ルイスはマーリーに会いたいと手紙を送り、実際に会ってみると何故かルイスは浮気相手であるリルルと一緒にいたという。マーリーはルイス付きの騎士たちに取り抑えられ、今までの罪状を並びたてられ、身分剥奪と国外追放を命じられた


「追放された後は如何されたのだ。」


「はい、途方に暮れていたところを、偶然シュバルツ王国へ向かう旅の一座に拾われてこの国に来ました。」


「それでどうしたいのだ?」


「どうしたいとは?」


「国に帰るか、それともこの国に残るかだ。」


「・・・・帰りません、私は今の暮らしが良いです。」


マーリーは本気で国に戻らない事を伝えた。マリーの悲痛とも言える表情がワシは目が離せずにいたのである


「ならばよし。これからはマリー・スターズとして生きられるがよい。」


「本当に宜しいんですか?」


「ああ、このサコン・シマ、一度約束した事は必ず守り通す。」


「ありがとうございます!」


マーリーは改めてマリー・スターズとして生きる事を見届けた後に捕縛した王太子の処分についてだが・・・・


「与一よ、食事を持っていけ、流石に腹は減っておるだろう。」


「心得ました。」


「待て。」


「はっ。」


すると左近は与一の耳元に静かに話し掛けた。与一は「はっ。」と答え、食事の用意をさせるのであった






「出せ!私はブレメルン王国の王太子だぞ」


ここは【お庭方】の隠れ家の地下室、叫んでいるのは身分を偽り、マーリー・サラシリアを連れ戻すため誘拐を企んでいたが、【お庭方】によって阻止され地下牢に幽閉されたブレメルン王国の王太子ルイス・ブレメルンである。見た目は赤髪短髪で色白金眼の美男子、そんなルイスを宥めようとする監視役のハリスら御一行たち・・・・


「殿下、やはり誘拐をした事がばれたんじゃ・・・・」


「ここは他国だぞ、私がマーリーを連れ戻そうとする事はばれるわけがないじゃないか!」


「し、しかし。」


「しかしも案山子もあるか!くそ、それもこれも全てあの女のせいだ!」


ルイスはマーリーを逆恨みしていた。想い人と結ばれるために父である国王やマーリーの父である伯爵に内緒で事を決行したがこの事がばれて、すぐにでも連れ戻せと命を受けた。くまなく探した結果、シュバルツ王国にいることが判明し身分を偽って入国し、マーリーを誘拐しようとしたのである。地下牢の中で暴れるルイスとそれを宥める側近たちの下にサスケらが現れた


「おい、私は王太子だぞ、ここから出せ。」


「ほれ、飯の用意をした。」


サスケらはパンとスープを人数分用意し、地下牢にいるルイスとハリスらの近くに置いた


「おい、早くここから出せ!」


「悪いがすぐには出来ん。王太子だという身分が証明されてないからな。持っている身分証の経歴は冒険者だけ・・・・」


「くっ!」


ルイスは王太子である証がない、今持っているのは冒険者の身分証と金と食糧のみ、するとハリスらは腹が空いていたのかパンとスープに手を出した


「おい、勝手に食うな!」


「殿下、今は食べて英気を養いましょう。」


「私は王太子だぞ、そのような下賤な料理など食べられるか!」


「勿体ないですぞ。」


「うるさい!」


下賤な料理は食べないルイスをよそにハリスらはガツガツと食事を噛み締めていると・・・・


「ぐふっ!」


「ぶほっ!」


ハリスらは苦しみだし、口から赤黒い液体が吹き出し全身が痙攣し、そのまま息絶えた。それを見たルイスは驚愕し出された食事を注視した


「まさか毒が入っていたのか!」


「せっかく食事を無駄にしおって、勿体ない。」


「貴様ら、我等に毒を盛ろうとしたのか!」


「やれやれ、食事に手を出しておれば良かったものを・・・・」


「答えろ!」


「王太子殿下、何も知らずに食事を取っておれば良かったものを・・・・」


「何!」


「お前が生きていては色々と困るのだ、すまぬがここで死んでもらう。」


サスケらは忍刀を抜き、ルイスに近付いた。自分に殺気が向けられている事に気付いたルイスは後退った


「近寄るな!」


サスケらは地下牢の鍵を開けて中に入り、ルイスは地下牢の隅に追い詰められた


「ま、待ってくれ、話せば、話せば分かる!」


「御覚悟を。」


「ま、まて、何が欲しい!金か、金ならやる!」


「ふん。」


「ぐはっ!」


ルイスはサスケらによって斬られ、その場で息絶えた。サスケらは隠れ家に待機していた与一を呼び出し、骸の検分を行った


「こやつがルイス・ブレメルンか。」


「はい、こやつは食事に手を出さなかったのでやむを得ず切り捨てました。」


「御苦労、骸は燃やせ。」


「「「「「はっ!」」」」」


ルイスらの骸は密かに荼毘にふされ、無縁塚に埋葬されたのである


「始末したか。」


「はっ!」


「さてブレメルン王国はどう出るかのう。」













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