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146話:ざまぁ【2】

その後、密会を行っていた教師とキャロルはそれぞれ処罰が下った。まず教師は生徒と密通した事により懲戒免職され、此度の事で妻と離婚し莫大な慰謝料を支払う羽目になったのである


「離婚したくない!私はあの小娘に騙されたんだ!本当は君を愛しているんだ!」


「言いたい事はそれだけですか?」


「パパなんか大嫌い!」


「この馬鹿息子が!お前のせいで破産の上、借金まみれになったんだぞ!どうしてくれる!」


「ふふふ、借金は鉱山での強制労働で返してもらいますからね♪」


「嫌だ、いやだあああああああ!」


教師は泣きべそを掻いてまで喚き散らしたが結果は変わることなく、離婚し莫大な慰謝料によって教師の実家は没落し、借金返済のために鉱山送りになったのである


次にキャロルは前々から自作自演をしてメアリーだけではなく、他の令嬢をも貶めようとした事が発覚し、マリッサ男爵家は孤立無援となり最終的には爵位を強制的に返上され、多額の慰謝料を支払い、平民に降格したのである


「これは誰かの陰謀よ!私は嵌められたのよ!」


「お前のせいで男爵家は没落した上で鉱山送りになったんだ!どうしてくれる!」


「そうよ、あんたを養女にしたのは失敗だったわ!」


「ふん、よくいうぜ!お前は男とハメハメした方だろう。」


「鉱山行きだけではなく鉱夫どもの相手でもしてもらうかね。」


「嫌よ!鉱山送りなんて、いやあああああああ!」


キャロルは陰謀だと喚き散らしたが、教師や男爵ら同様と借金返済のために鉱山送りの上、鉱夫相手の下級娼婦になったのである


「僕はどこで間違ったんだ。」


カイルはメアリーに一目惚れし両親に頼んで婚約したにも関わらず、女遊びに現を抜かし、毒花に惑わされ、最後には婚約を解消され、家を追い出されたのである。手元にあるのは手元金「金貨30枚」のみ・・・・


「そうだ、メアリーと寄りを戻せば伯爵家の婿養子になれるかもしれん!」


既に婚約解消したにも関わらず、寄りを戻そうと躍起になっている。カイルは婿養子となり、カイザス伯爵家を乗っ取ろうと画策していたが、既に跡継ぎであるオルタ・カイザスがいるにも関わらず、それすらも忘れていたカイルは早速、カイザス伯爵家に向かった。その頃、カイザス伯爵家ではカイル・ボルゾンが正式に廃嫡になった事を知ったカイザス伯爵と伯爵夫人はホッと溜め息をついた


「とうとう廃嫡になったか。」


「旦那様、メアリーをそろそろお戻しいたしますか?」


「いいや、あの者がこのまま黙っているとは思えない。サコン・シマには悪いが娘を預かってもらう他はない。」


「では引き続き、生活費を送りましょう。」


「うむ、そうしてくれ。」


すると扉からノック音がした。入室の許可を出すと、執事長が困り果てた様子で入ってきた


「如何した?」


「はい、例の者がメアリーお嬢様の婿養子になると・・・・」


例の者とはカイルの事である。メアリーと寄りを戻したくて、来たのだろうと察知し追い返す事にした。よりにもよって婿養子とは呆れ果てて物が言えなかった


「会わぬ、もし居座るのであれば、その場で斬っても構わぬ。」


「畏まりました。」


正門前にはカイルがまだかまだかと痺れをきらしながらも待ち続けた。そこへ執事長と共に2人の騎士がやってきた


「いつまで待たせるんだ!」


「旦那様は平民に会う理由はないとの事にございます。」


「僕が婿養子になると言っているんだ!」


「生憎にございますが既に跡取りであるオルタ坊ちゃまがおりまする、お引き取りを。」


「待ってくれ!僕は侯爵家の子息だぞ!血筋においても伯爵家よりも上だ!」


「元侯爵家の子息にございましょう。これ以上、居座るのであれば、この場でお手打ちに致します。」


執事長の合図で2人の騎士が剣を抜いた。それを見たカイルは恐れ戦き、「お、覚えてろよ!」の捨て台詞を吐いて、その場を去ったのである


「くそ、こうなったら直接、メアリーに会うしかない。」


カイルは手元にある金貨30枚でメアリーの下へ向かうべく行動を開始した。カイルは移動用の馬と保存食と通行証と護身用の鞘付きの剣を購入し、シュバルツ王国へと足を進めた


「待っていろメアリー、白馬の王子が迎えに行くからな!」


その様子を四六時中監視していた影はすっと、その場を離れ、主の下へと向かった





島左近清興だ。たった今、ジュリアス王国に放った【お庭方】の知らせによるとカイル・ボルゾンは侯爵家を追われ、メアリーと寄りを戻すべくシュバルツ王国に向かっているとの知らせが届いた。ワシは早速、メアリーらが泊まっている宿へ向かい、この事を伝えた


「それは本当ですか!」


「あぁ、間違いない。」


「あ、ああ。」


「「お嬢様!」」


報告を受けたメアリーは全身鳥肌が立ち、眩暈を起こしそうになった。側にいたサナとパドックがメアリーを慰めつつ、ワシはどうするか尋ねることにした


「それでメアリー嬢はどうしたい?」


「どうしたいとは?」


「元婚約者は侯爵家を負われ、身分は平民となった。その気になれば捕縛する事もできる。」


「ほ、捕縛・・・・」


「そうだ。奴はメアリー嬢と寄りを戻して貴族に返り咲きたいという妄念に取り憑かれておる。それでメアリー嬢はこのまま奴と寄りを戻したいか?」


「い、いいえ!」


「そうか、では我等が後始末いたそう。」


「後始末・・・・」


「メアリー嬢、貴殿は安心して我等に任せられよ。」


「はい、サコン様にお任せします。」


宿を後にしたワシは【お庭方】に命じた。そうカイル・ボルゾンの始末である、命を受けたサスケらは早速、早速カイル・ボルゾン暗殺に動いた


「あとは吉報を待つだけだな。」


その頃、カイル・ボルゾンはジュリアス王国を出て、目的地シュバルツ王国へ向かっていた。ここ数日間は安い宿に泊まり、時には野宿をしながら愛しの人であるメアリーに会うために馬を走らせた


「待ってろ、メアリー!」


馬は途中でばててしまい、その場で倒れこんでしまった。カイルも一緒に転んでしまい、足首をひねってしまった


「くっ!この役立たずが!」


バテバテの状態の馬を罵倒しつつも足首をひねった事で動くことすら、ままならなかった。しかも場所はひたすら森林ばかりで人一人いない状態であった。鞘付きの剣を杖代わりに歩みを進めた


「くそ、こんなところで迷子になるわけにはいかん。」


どうにかこの場を脱出しようと考えながら歩いていると、水の流れる音が聞こえた。音に誘われて向かうと、そこには河川があった


「か、河だ!」


カイルは鞘付きの剣を杖代わりにしながら移動した。河川に到着し、手で河の水を掬い、口に運んだ。冷水の冷たさが全身に染みわたり、体を潤した


「う、美味い・・・・これほど美味い水は初めてだ。」


カイルは何度も水を掬いながら、ひたすら飲み続けた


「はあ~、いきかえった・・・・ぐふ!」


突然、首筋から激痛が走った。カイルは何が起きたか分からず、口から赤黒い液体が溢れだした。カイルはその場に倒れ、段々と意識が薄らいでいった。そして浮かんだのは、幼いころの記憶だった、カイルは一人の女の子に一目惚れをした、その女の子の名はメアリー・カイザス、彼女を自分のお嫁さんにしようと両親に頼み込み、婚約を結んだのであった


「め、めあ・・・・り。」


カイルはその場で息絶え、カイルから溢れる赤黒い液体は河川を染めたのである


「任務完了。」


カイルの首に小刀を突き刺した何者かはそのまま姿を消し、聞こえるのは鳥の囁きと河川の水の音のみであった


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