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145話:ざまぁ

ここはジュリアス王国直属の国立学園である【ジュリアス総合学園】、今は学園祭が行われていた。メアリーの元婚約者であるカイル・ボルゾンはある人物を探していた


「どこへ行ったんだ、メアリー!」


メアリーは休学しシュバルツ王国に遊学している事を完全に忘れ、血眼になって探しているのである。実は想い人であるキャロルから、出し物を壊されたと泣きつかれ、一言文句を言ってやろうとしたが、肝心の本人は何処にもいない・・・・


「くそ、何処へ行ったんだ!」


その様子を端から見ていたクラスメイトはカイルを白い目で見ていた


「アイツ、メアリーが休学してるの完全に忘れてるよ。」


「例の想い人に骨抜きにされたんじゃねえの?」


「そうね、だから婚約解消されたのよ。」


「そういえばD組のフランツがボルゾン侯爵家の養子になるそうだぞ。」


「そりゃ、あんなのが侯爵になったら没落まっしぐらだな。」


「あの様子だと気付いていないようだな。」


「僕、カイルの想い人が自分で教科書破いてるの見たよ。」


「奇遇ね、私もキャロルが自分の私物を捨ててるところを見たよ、それからカイルに泣きついてたし・・・・」


「婚約解消して正解だな。」


「それにシュバルツ王国に行って良かったよ。」


クラスメイトはキャロルが自作自演をしているのを知っており、それに気付かず操り人形のように動くカイルに白眼視しつつ、メアリーに同情の目を向けていた。そんなことになっているとは知らずカイルは途方に暮れていた


「こうなればメアリーの屋敷に直接行くしかない!」


カイルは学園祭を抜け出し、そのままカイザス伯爵邸へと向かった。その姿を見たクラスメイトたちは直ちに教師らに報告をしたのである。カイルはカイザス伯爵邸に到着し、しきりに「メアリーを出せ!」と声を張り上げていた


「一体何の騒ぎだ。」


「はっ、カイル様はひたすらメアリー様を出せと言って聞かないのです。」


「はあ~、遊学や婚約解消した事を聞いていないのか?」


「如何なさいます?」


「私が出向こう、護衛をつけてだ。」


ホルス・カイザス伯爵は正門へと向かうと、傍から見ても分かるように激高しているカイルにカイザス伯爵は溜め息をついた


「これはこれはカイル殿、我が屋敷に何用で?」


「決まっている!キャロルを苛めるメアリーを懲らしめるためだ!」


「・・・・何を仰っているので?」


カイザス伯爵は目の前にいる娘の元婚約者の妄言に呆れ果てていた。もしかしてメアリーが遊学とした事や婚約解消した事を知らないのかと思っていると、カイルは更に問い詰めた


「いるのは分かってるんだ!もし庇いだてするなら、容赦しないぞ!」


「カイル殿、メアリーは遊学中で当屋敷にはおりませぬぞ。」


「嘘をつくな!」


「嘘ではない、休学届も出しているし、既に婚約も解消しているし、もう貴殿と我が家は関係ありません。これ以上、騒ぎ立てるのであれば侯爵家に抗議しますぞ。」


カイルは耳を疑った。メアリーの遊学だけではなく婚約も解消している。きっとハッタリに決まっているとタカを括ったカイルは開き直った


「ふん、僕を脅そうとしても無駄だぞ!むしろこっちから抗議してやる!首を洗って待ってるんだな!」


カイルはそのまま自宅であるボルゾン侯爵邸へと帰宅した。突然の帰宅に驚いた使用人たちは驚きを隠せなかった。学園祭はまだ終わってもいないのに何故、ここにいるのかと困惑していると、カイルは真っ直ぐ両親のいる部屋へ向かった


「父上、母上、失礼します!」


許可も取らずに入室するカイルにボルゾン侯爵と夫人は何事かとカイルの方を向いた


「何事だ、一体?」


「父上、聞いてください!メアリーが僕の大事なキャロルの出し物を壊したのです。それを抗議しようとしたらカイザス伯爵はメアリーは遊学中でしかも婚約を解消しているとほざいたのです!カイザス伯爵は娘の罪を認めず、あまつさえ抗議をするとほざいているのです!だから逆にこちらから抗議をしましょう!」


「・・・・お前はいつからそのような愚か者になったんだ?」


「え。」


父からの愚か者発言に先程の興奮が嘘のように覚めた


「メアリー嬢は遊学のために学園を休学しているし、婚約解消も我等から行っている。その事をお前に伝えたはずなのだが?」


「そ、そのような事は一言も・・・・」


「お前には、はっきりと伝えたぞ。お前は想い人やらの事で頭が一杯で話半分にしか聞いていなかったがな。」


カイルは何が何だか分からなかった。既に遊学と婚約解消は済ませていて、しかも自分に知らせていた、そんな記憶がない・・・・


「だ、だったらどうして僕に無断で・・・・」


「何故、いちいちお前の許可がいるんだ?」


「それは僕はメアリーの婚約者で・・・・」


「その婚約者をほったらかしにして他の女と遊んでいるお前にそれを言う資格があるのか?」


そう言われると、ぐうも出なかった。そんな様子を見た侯爵は更に問い詰めた


「それにメアリー嬢がお前の想い人に嫌がらせをしたというが証拠はあるのか?」


「キャロルがメアリーがやったと泣きついて・・・・」


「裏を取ったのか?」


「い、いいえ。」


「はぁ~、思慮分別すらも無くなったのか、愚か者め。」


ボルゾン侯爵は息子の思慮分別なき無鉄砲さに頭を痛めた。どこで教育を間違えたのか、隣にいる妻は息子の浅ましさに啜り泣いた


「母上、如何なされましたか!」


「近寄るでない!」


「は、母上。」


妻の一喝にカイルは呆気に取られた。何が何だか分からないと顔に書いている愚息の顔にほとほと呆れ返った


「はぁ~、カイルよ。今のお前には何を言っても無駄のようだな、お前は侯爵家の跡取りに相応しくない。」


侯爵の発言にカイルは耳を疑った。カイルは父の言葉の意味が分からず問い詰めた


「ち、父上、今何と・・・・」


「お前は廃嫡だと言ったんだ。」


「な、何故、僕を廃嫡するのですか!」


「決まっている、お前は婚約者を蔑ろにしただけではなく、浮気相手の口車に乗せられて、婚約者を貶める始末、そのような愚か者に侯爵家を任せるわけにはいかん。」


「ちょっと待ってください!僕を廃嫡したら侯爵家を継ぐ者がいないではありませんか!」


「それは心配するな、分家より養子を取ることにした、お前なんかよりも優秀で思慮分別のある有望な存在だ。」


「で、ですが。」


「もう決まったことだ。手切れ金はくれてやるが後は自分で稼げ。分かったら荷物を纏めてさっさと出ていけ。」


もはや決定事項と言わんばかりの通告にカイルはただただ立ち尽くすしかできなかった


「はぁ~、誰かこの愚か者を外へ追い出せ、目障りだ。」


カイルは使用人らによって外へ追い出された。一方、カイルの想い人であるキャロルは学園で人気のあるイケメン教師と逢い引きの最中だった


「先生、会いたかった♡」


「私もだよ。」


人気のない場所で2人の男女は互いにキスしていた


「君も悪い子だね、婚約者のいる想い人に愛を囁きながらも私と逢い引きするとはね。」


「ふふふ、そういう先生だって奥さんと子供がいながら私と浮気してるじゃないですか、おあいこですよ♡」


その様子を影で見ていたクラスメイトはチャンスとばかりに教師らに報告をした。そうとも知らない2人は逢瀬を遂げていた。そうとは知らずにいたカイルはとぼとぼと学園に戻っていた、カイルの姿を見かけたクラスメイトはチャンスとばかりに想い人のキャロルが男と逢い引きしていると告げ口をしたのである。それを聞いたカイルは耳を疑った


「う、嘘だ。キャロルがそんな事を・・・・」


「疑うなら案内してやるよ。まだ逢い引きの最中だろうしな♪」


クラスメイトらはカイルを連れてある場所へ向かった。そこは人気のない空き教室、そこでカイルはとんでもないものを見てしまった。そう学園で人気のある教師と想い人が互いに全裸で絡み合っている真っ最中だった


「ふふふ、君は最高だよ♡」


「カイルよりもいいです♡」


その光景を見たカイルは涙が溢れ出た。その様子を見たクラスメイトらはニヤニヤと笑みを浮かべていると、そこへ教師らが駆けつけ、空き教室の扉が開いた


「きゃあ!」


「うわっ!」


教師とキャロルは突然の侵入者に驚いた。その1人にカイルも含まれており、キャロルは・・・・


「か、カイル。ち、違うの!私は先生に犯されたの!」


「な、何を言うんだ!」


「私、この先生に脅されて無理矢理!カイルなら信じてくれるよね!」


慌てふためく教師の姿と平然と嘘をつく想い人の姿にカイルはただ涙を流しながら見ているしかできなかった

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