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137話:マルギニア民主共和国

島左近清興だ、例の死神騒動は無事に解決し、下手人は拷問部屋にてじっくりと尋問中である。その後、明らかとなったのは、意外と拍子抜けする内容だった


「私怨だと?」


「はっ!どうやら下手人は王都にて処刑された者たちの復讐のために事に及んだと・・・・」


下手人いわく、此度の死神騒動は自分一人でやった事であり、組織は関係なし。仲間に罵詈雑言と投石をした民たちに復讐するべく、死神騒動を起こしたという・・・・


「せっかく奴らの情報が手に入るかと思いきや無駄な徒労であったわ。」


「それで下手人は如何いたします。」


「斬れ。」


「はっ。」


その後、例の女子は【お庭方】によって素肌を露出し、切り傷や打撲等を浴びて、美しい容貌は醜くなっていた。因みに拷問にかけたのは全員、くノ一である、理由としては色仕掛けをしてくる可能性があるため、くノ一が担当することになった


「こ、殺せ・・・」


「安心なさい、後で殺してあげるわ。」


シグレを筆頭としたくノ一集団は同性ゆえに何を考えているのか分かる、それゆえ手を抜かない、その後、くノ一の一人が拷問部屋に訪れると、シグレに耳打ちした


「分かりました。」


シグレは下手人の下へ向かうと、忍刀を抜いた。下手人の女子はシグレが忍刀を抜いたと同時に、ふっと笑みを浮かべ、目をつぶった。どうやら覚悟を決めたようだ・・・・


「ふん。」


シグレの一閃にて下手人の女子は血しぶきをあげ、そのまま息絶えた。下手人の女子は密かに火葬され、そのまま無念仏に葬られた。死神騒動が沈静化し、戒厳令が解かれ、民たちは安心して夜中に外出できるようになった


「左近様、監視役ティア・ストロートにこの事は?」


「報告する価値もない。」


その後は何事もなく平穏に過ごしていた頃、とある国で貴族の領地にて反乱が起こっていた


「悪徳貴族を根絶やしにせよ!」


率いていたのはフレイク・マルギニアで民たちを扇動し、反乱を起こしたのである。フレイクは評判の悪い貴族を調べあげて、民たちを持ち前のカリスマ性と演説によって扇動したのである。民たちは税を搾りつくし贅沢をする領主に怨みと憎しみを持っていたので、それも相まって、火の粉が大火事になるほどの勢いであった。そして悪徳貴族とその一族は捕らえられフレイクたちの前へ引き据えられた


「私はこの国の貴族ぞ!私を敵に回すことは国を敵に回すことぞ!」


「喧しい!民を食い物にする貴様らこそが国の災いではないか!」


「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」


「こいつに娘を手篭めにされたんだ!」


「俺のかかあもこいつに嬲り物にされた!」


「こいつらも同じ目に合わせてやる!」


「や、ヤメロオオオオオ!」


その後、悪徳貴族とその一族は処刑された。民たちの怒りはそれだけに留まらず、ついには国全体にも燃え広がるほどの勢いであった。国王は軍を派遣し、反乱軍の鎮圧に向かったが、反乱軍の方が数が勝り、勢いもあったため乱は鎮圧できず、国王とその一家は隣国へ逃亡した。主なき王宮に入ったフレイクは独立を宣言し、その名を【マルギニア民主共和国】と改めた


「これからは王を立てず、民による民のための政治を行う。皆、宜しく頼むぞ!」


「万歳!万歳!万歳!」


【マルギニア民主共和国】創設は各国にも知れ渡ると同時に今までの王政態勢の根幹を崩しかねないほどの事案であった。シュバルツ王国では緊急会議が行われていた


「さて、マルギニア民主共和国の事は聞いておるな。」


「陛下、彼の国を反乱軍によって作られた国、ましてや王を立てぬとか、そのような体制で国は纏まりましょうか?」


「さあな。」


「陛下、元の国の国王が救援を求めた際は如何なさるので?」


「放っておけ、民を蔑ろにしたツケが回ったのだ、救援する価値もない。」


「陛下、彼の国に対し我等は如何致しましょうか?」


「まずは祝賀の使者を立てる、奴等の行動を調べさせよ。」


「畏まりました。」


ロバート・シュバルツはあえて敵対せず祝賀の使者を送ることにした。相手の実態を調べることにした、もしシュバルツ王国に敵対せず友好関係を気付くのであればそうするし、もし敵対するなら経済制裁をすればいいだけの話だ


「取り敢えず様子見だな。」


島左近の下にもマルギニア民主共和国の知らせが届いた。王を立てず民による民のための政治を掲げるマルギニア民主共和国の方針に島左近は頭を傾げた


「誠に奇怪な事じゃ。」


「左様ですな、我等がいた現世ではありえぬ話ですな。」


「それに対し、国王陛下は祝賀の使者を送るか、それで妥当であろうな。」


「もし彼の国がこの国に敵対行動を取れば如何あいなりましょう。」


「戦を仕掛けるしかなかろうて、だが彼の国は樹立したばかりで足元が定まっておらぬ、すぐには動かぬじゃろう。」


「御意。」


ロバートが送った祝賀の使者は真っ直ぐ、マルギニア民主共和国へと向かっていた。使者にはリチャード・アルバイナ侯爵が選ばれた。リチャードはロバートより反乱を起こした経緯を聞かずに人となりやどのような国造りをするのか、そして我が国との関係について探るよう命を受けてきたのである。そんなこんなでマルギニア民主共和国に入ると、町や村はゴーストタウンと化しており、民たちもわずかばかりであった


「悪政を敷いた報いが返って来たという事か。」


リチャードは悪政を敷いたこの国に憤りを覚えつつ、我が国もこうならぬよう、肝に命じた。最短ルートを通り、何事もなく王宮へ到着し、兵に用の赴きを伝えたが、何故かは知らぬが待たされることになったのである


「(祝賀の使者に対してこの仕打ちか。)」


一方、フレイク・マルギニアを始め幹部たちがシュバルツ王国が寄越した使者への対応をどうするか未だに議論が続けられてた


「彼の国は我等が同志を公開処刑したのですぞ、今すぐにでも追い返しましょう!」


シュバルツ王国を敵対視するマコト・アララギ、見た目は黒髪の短髪、色白黒目で精悍な面構え、身長は180cmほどの勇猛果敢な男である


「いいや、今は彼の国と事を構えるべきではない。」


一方はシュバルツ王国と和平の道を説くバイル・エゲレス、見た目は緑髪の短髪、色白赤目で秀麗な美貌、身長は175cmほどの思慮分別を弁えた男である


「臆病風に吹かれたか!」


「我が国は生まれたばかりだ、下手なことをすれば、戦争の口実になると言っているんだ!」


「何を!」


「静まれ!」


言い争いを続ける同志たちに、フレイクは一喝で静めた。これ以上、議論を続ければ、向こうに戦争の口実を与えかねないので結論を急ぐことにした


「祝賀の使者を迎え入れよ。」


「同志フレイク、彼の国の蛮行を忘れたのですか!」


「今は私怨に囚われている場合ではない、少しでも味方を増やすためには、例え同志たちを処刑した国とも仲良くせねばならぬ。」


「く・・・・くそ!」


マコトが椅子を蹴りあげ、部屋を退出した。フレイクは溜め息をつきつつ、シュバルツ王国の使者と会う事にした


「同志バイルよ、警備の方は怠りなく勤めよ、マコトが余計な事をせぬよう見張るのだ。」


「分かりました、同志。」


一方、マコトは兵を集め、シュバルツ王国の使者を亡き者にしようしていた


「いいか、亡き同志たちの無念を晴らす時は今をおいて他にない、良いか!」


「「「「「オオオオオオオオ!」」」」」


かくして陰謀渦巻く会談が始まるのであった

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