128話:勇者と代官
ここはとある田舎の村、この村に2人の女勇者が訪れていた
「勇者様、本当に大丈夫ですか?相手は10人いるんですよ。」
「「この勇者チャーリー(コーネリアス)にお任せなさい。」」
チャブム改め【チャーリー・プレス】とコバヤシ改め【コーネリアス】はこの村を騒がせている盗賊の退治を依頼されたのである
「いやあ、流石に女性2人だけで盗賊退治なんて・・・・」
「私たちを舐めてもらっては困る。」
「そうよ、私たちこう見えて強いのよ。」
村長はじめ村人たちは不審そうな目で見ていたが、依頼をしたのはこちらなので、あまり強くは言えず、成り行きを見守るのであった
「じゃあ行ってくるわね!」
「首を長くして待ってなさい!」
「お気をつけて・・・・」
意気揚々と盗賊退治に出かけるチャーリーとコーネリアスを不安げながら見送る村長と村人たち・・・・
「村長、あの2人に任せて良かったのか?」
「こればかりは何ともしがたい。」
盗賊のいるアジトヘ向かう道中、チャーリーとコーネリアスは作戦会議をしていた
「さて、奴等は地の利を生かして私たちを襲う可能性があるわ、そのためにも作戦は必要なのよ!」
「じゃあ聞くけどあんたはどうすんのよ。」
「ふふ、よくぞ聞いてくれた。」
するとチャーリーがリュックからあるものを用意した。それは薄汚い洋服と帽子、伸縮自在の杖だった
「そんなもの出してどうするの?」
「これに着替えるのよ!」
チャーリー曰く、この薄汚い服と帽子を着用し、更に杖を装備した上で、老人の真似をするというものである。奴らが老人と思って侮り、近づいたところを返り討ちにする戦法である
「おいおい本当に成功するのか?」
「ふふふ、人間案外見た目で騙されるものよ。ほら、着替えた、着替えた。」
「はあ~。」
チャーリーとコーネリアスは薄汚い服と帽子を着用し、腰を限界まで曲げて、杖をついていた
「じゃあ、行くわよ、コーネリー婆さん。」
「分かったわよ、チャーリー婆さん。」
2人は盗賊の出る通路を歩き始めた。慣れない老人の歩行に苦戦しつつも歩き始めた。その二人を虎視眈々と狙う怪しい集団、奴らは老人に変装したチャーリーとコーネリアスに狙いを定めた。二人は視線と殺気を感じつつ、いつでも戦闘ができるように準備をすると、2人の前に一本の矢が地面に突き刺さった
「止まれ!」
そこへ10人ほどの盗賊が出てきて、2人を取り囲んだ。弓を持っているのは2人、残りは剣を持っていた
「命が惜しければ、金目のものを出しな。」
「そうだ、無駄死にしたくないだろ、ババア!」
盗賊たちは相手が老婆2人だと侮っていた。チャーリーとコーネリアスは隙を伺いつつ、老婆の真似をすることにした
「ああ、何だって?」
「チャーリー婆さん、こいつら盗賊。」
「とうぞく?それは食えるのか?」
「違う違う、とうぞくって何だっけ?」
「何だなんだ、ボケ老人かよ。」
その様子を見ていた盗賊たちは呆れながらも恰好な獲物を見つけたと近づいた、チャーリーとコーネリアスは接近する盗賊たちに接近すると、仕込みの武器を抜いた
「うっ!」
盗賊の一人は突然、何が起こったのか分からず、自分の体から血しぶきが舞った。残りの盗賊は何が起こったのか分からず、呆気に取られていた所、弓を持った2人の盗賊は我に返り、矢を放とうとしたところ、チャーリーとコーネリアは盗賊に目掛けて石を投げると、盗賊に直撃した
「ぐっ!」
「がっ!」
盗賊二人は弓矢を落とすと、チャーリーとコーネリアスは盗賊たちをすり抜け、投石による激痛で悶絶する二人を切り殺した
「なっ!」
「な、何者だ!」
「私たちは・・・・」
「勇者よ。」
チャーリーは盗賊に向けて、石を投げている隙に、コーネリアスは弓矢を手に入れ、盗賊に向けて放った。盗賊たちは投石と矢に直撃し、負傷した。チャーリーも弓矢を手にし、盗賊に向けて放った
「く、このアマアアアアアア!」
盗賊の一人が二人に向かって突撃したが、2人の放った矢が脳天を貫き、絶命した。他の盗賊たちは弓矢と投石によるダメージを負い、身動きが取れなかった。2人は隙を逃さず、盗賊たちを一人ずつ斬り殺していった
「ま、まってくれ!わ、悪気はなかったんだ!」
「悪気がなかった?ふふふ、だったら私らは2度も脱獄しても悪気はないわね。」
「だ、脱獄だと・・・・」
「おっと、お喋りが過ぎたわね。」
「ま、まて・・・・」
最後の盗賊の命はあっさりと散らされ、息絶えた。盗賊退治を済ませた2人はそのまま村へ帰り、報告をした
「ほ、本当に退治したんですか!」
「ええ、疑うなら自分の目で見たらどうかしら?私たちはここで待ってるわ。」
「お、おい、見てこい。」
「は、はい。」
村人たちは何人かが盗賊たちの骸のある場所へ向かってから時が経ち、帰ってきた村人たちは慌てた様子で走ってきた
「本当に盗賊の死体があったぞ!」
「間違いないのか!」
「あぁ、10人全員死んでた!」
「ほらね。」
すると村長はチャーリーとコーネリアスに頭を下げた
「疑って申し訳ない、御礼は必ずします。」
「楽しみにしてるわよ。」
チャーリーとコーネリアスは村を後にして、ギルドへと向かう道中、盗賊退治の報告をしあった
「ふふふ、今日の仕事は楽勝だったわね。」
「あぁ、伊達に凶暴な囚人相手に生き残ってきたからな。」
「そうね、囚人の方が手応えがあったから物足りないわね。」
「ええ、次からは危険な仕事にしましょう♪」
その後、チャーリー・プレスとコーネリアスはやがて名うての女勇者として世間に名を轟かすのは先の話であった
島左近清興だ、【カンバス地域】の開拓は順調に進み、堤の整備も問題なく進んでいる。そんなある日、シュバルツ王国より代官が派遣されたのである。ワシの目の前にいる眼鏡をかけた優男がそうである、数人の部下を連れての赴任である
「初めまして、サコン・シマ準男爵殿、本日より貴殿の領地にて代官の任をすることになったアルフォート・ギブソンと申します、宜しくお見知りおきを。」
見た目は栗毛の短髪、20代後半、身長は175㎝ほどの色白の美丈夫だが、見るからに怜悧で慇懃無礼な印象を与える。まるで我が主、石田治部少輔三成みたいな男だ・・・・
「左様か。」
「では私は領内の視察を致しますので、準男爵殿も御同行のほどを。」
「相分かった。」
何故、代官が我が領地に来たのかというと、ルナが我が領地にやってきたのが始まりだ。ルナ曰く「領地が広がった事で職務の方も大変だろうと陛下が代官を送るとの事にございます。」と半ば強制的に送ってきたのだ
「(左近様、代官を送って我等を監視しようとしておりますぞ。)」
「(そのようだな、まあお手並み拝見と行こうか。)」
ワシらは一通り、代官であるアルフォートに見せた後、代官所へ向かった。元は民たちの集会場だった建物をワシがシュバルツ王国に提供し、代官所として活用されたのである。代官所には【お庭方】を配置させ、アルフォートらを監視することにした
「準男爵殿、ここの領地は治安がよく、民たちも活気にあふれておりますな。」
「お世辞でも嬉しゅうござる。」
「私は事実を申し上げたまでです、他と比べたらマシだという事です。」
「左様か。」
うん、間違いなく石田治部少輔に似ておる、この分だと敵が作るのだが上手いようだな。まあ、ワシとしてはあくまで仕事上の関係を築く他あるまいて・・・・
「(左近様、殿と同じ輩が来ましたな。)」
「(こればかりは国の命令だ、つかず離れずの付き合いをするまでよ。)」
ワシらは、かつての主と似た男を迎え入れるのであった




