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114話:シュンフェン王国

島左近清興だ、コタロウが死んでから一週間経った。コタロウから3人の事を頼まれたが、取り越し苦労のようだ。ワシから見てもユカリとサマノスケは気丈にも生活していた。そう産まれたばかりの我が子のためにも・・・・


「コタロウ殿、2人、いや3人は何とかやっておるわ。」


そんな事はさておき、シュバルツ王国に他国の使節がやってきた。国の名はシュンフェン王国という国で、中華風の着物を来ており、東洋風の顔立ちをしている。現世にいた頃の、唐人と同じである。その使節は王都へ向かう途中、ワシらの領土を訪れた


「大使、この領土を治める領主をお探ししましょう。」


「うむ、任せたぞ。」


「はっ!」


その使節の1人が屋敷に尋ねた。ワシらは予め準備していたので、偶然を装いつつも応対した


「これはこれは遠い所、わざわざお越しいただきありがとうございます、某は当屋敷の主にてサコン・シマと申す者にございます。」


「我等はシュンフェン王国の命にて使節としてシュバルツ王国に参った。すまぬが宿を手配して貰いたい。」


「承知しました、すぐに手配致しましょう。」


その後、ワシはすぐに最高級の宿を手配した。使節団は手配した宿に入り、旅の疲れを癒した。ワシはというと、使節団の大使と面会をしていた


「遠い所、ようこそお越しくださいました。某はこの土地の地主にて、サコン・シマと申します。」


ワシの目の前には使節団の大使と思える30代半ばの黒髪黒目、肌は色白でキリッとした目付き、綺麗に整った口髭を生やした男前が座っていた


「うむ、大儀である。私は国の命で使節としてこの国に参ったタイラン・マオだ。」


「ははっ!」


「うむ、良き面構えだ。」


「畏れ入り奉りまする。」


「それでそちの隣にある大きな箱は何だ?」


「ははっ!大使様への献上品にございます。我等が領地に作りましたる上布にございます。どうぞ、お改めを。」


ワシは急遽、献上品の用意をすることにした。在庫として残っていた最高級の青芋と藪芋麻の上布を献上することにしたのである。大使の側にいた側近の者が箱を開けると中身は品質の良い上布が入っていた


「うむ、そちの心遣い、有り難く受け取っておく。」


「ははっ!有り難き幸せ!」


ワシらは保存食目的として作った牛肉の味噌漬けを提供することにした。味噌は塩と共に保存食作りに適しており、肉の旨味と味噌の風味が上手く合わさり、滋味豊かな味わいをしている。夕餉の時となり、使節団に牛肉の味噌漬けを提供した。勿論、毒味は済んでるし、毒も入っていない。料理中に不可解な動きをする者を常に監視していたが今回はいないようだ


「サコンとやら、これは何という料理だ。」


「ははっ!牛肉の味噌漬けにございます。念のために某がお毒味致しますが?」


「既に毒味は済んでおろう、気遣いは無用だ。」


「畏れ入り奉りまする。」


「では、いただこう。」


そういうと大使は肉を食べるを合図に他の使節も食べ始めた


「(うむ、肉の旨味に味噌が合わさって、良き味わいだ。ご飯がよく合う。)」


大使だけではなく、他の使節団も牛肉の味噌漬けの味を楽しみつつ、ご飯を味わった


「「「「「(美味い、肉に味噌が染み付いておる。野菜とご飯が上手く纏まっている。)」」」」」


使節団は牛肉の味噌漬けを味わいつつ、ご飯と味噌汁、野菜にも手が進み、食べ終わった


「サコン、なかなか美味であったぞ。」


「ははっ!有り難き幸せ!」


その後、使節は大浴場に入った後、旅の疲れを癒した後、宿にて一泊した。翌朝になり、ワシは逸早く目を覚まし、軽めの朝餉を取った後、使節団の泊まる宿へ赴き、大使に挨拶をした


「おはようございます。」


「うむ、昨日はよう眠れた。」


「それはよう、ございました。ただいま朝餉の支度をしておりますので、少々お待ちを。」


朝餉の方はご飯、味噌汁、ハム、だし巻き卵、サラダ、林檎を用意させ、使節団の食卓に運ばせた。勿論、毒味をしている


「そなたは食べたのか?」


「既に。」


「そうか、毒味はもうしてあるな。」


「御意。」


「うむ、ではいただこう。」


使節団は食事を行った。使節団は黙々と食べ続けた


「(うむ、ふわふわした食感と卵の出汁が利いて美味いな。)」


「「「「「(美味い。)」」」」」


朝餉を食べ終えた使節団は休憩を取った後、出発の準備をしていた。ワシは大使と別れの挨拶をした


「世話になった。」


「道中、お気をつけて。」


シュンフェン王国の使節団は出発した。使節団を見送ったワシは安堵の溜め息を吐いた


「ふぅ~、無事にすんで良かったわ。」


「それにしてもシュンフェン王国は何の目的でこの国に来たのでしょう?」


「まぁ、国同士の事は国同士が決めることだ。ワシらが口出す事ではない。」


「ははっ。」


「さて後片付けでもするか。」


使節団は途中の町に滞在しながら、王都を目指した


「大使、もう少しで王都へ到着致します。」


「うむ。」


使節団はようやく王都に到着した。警備をする門番に通行手形を見せると、門が開けられ、使節団は王都に入った。使節団の一行は予め滞在する屋敷へと向かった。その頃、王宮ではシュンフェン王国の使節団が到着した事を知ったロバート・シュバルツはペンを止めた


「そうか、シュンフェン王国の使節団が到着したか。」


「はっ!御一行は現在、屋敷にて休息を取っております!」


「うむ、使節団にこう伝えよ、○月○日に参内せよとな。」


「ははっ。」


国王の命を受けた使者は、使節団の滞在している屋敷へと向かった。使節団は旅の疲れを取り、王宮の使いが来るのを待っていると、そこへ使者が到着し、使節団に対面した


「遠路はるばるの御来訪、御苦労にございます。」


「うむ、それで我等はいつ登城できるのだ?」


「はい、○月○日に参内するよう申しつかって参りました。」


「分かった。」


「それまではゆるりとご滞在ください。」


使節団はシュバルツ王国の歓待を受ける一方で、王宮の方でも準備をしていた。ロバート・シュバルツは息子のロミオ・シュバルツとその婚約者であるリリア・ジョルド侯爵令嬢【銀色の長髪、色白の肌、紫色の目、年齢は10代前半、身長は160cmの美少女】を呼んだ


「ロミオ、リリア嬢、シュンフェン王国の使節団が参った事は知っておるな。」


「「はい。」」


「使節団の目的が何なのか分からん。二人には使節団との会談に参加してもらうぞ。」


「父上、私にできるでしょうか?」


「ロミオ、嫌でも通らなければいけないんだ、いずれ国を背負う者の正念場と心得よ。」


「はっ!」


「リリア嬢、そなたもロミオを支え、国を背負う者としての戦いじゃ、よいな。」


「はい!」


〇月〇日、ついに使節団が参内する日になった。国王、王太子、貴族らが出席し、シュンフェン王国大使のタイラン・マオら使節団は王宮に参内し、広間にて国王ロバート・シュバルツに拝謁した。ロバートの側にいたロミオとリリアは緊張した面持ちで使節団を注視した


「シュンフェン王国大使タイラン・マオ、シュバルツ王国国王陛下に拝謁いたします。」


「うむ、遠路はるばる大儀である。」


「ははっ!」


「して御用の趣は?」


「はい、我が国といたしましては貴国と同盟を結びたいと考えております。」


シュンフェン王国の目的はどうやら同盟らしい。ロバートは同盟の理由を尋ねることにした


「我が国と同盟を結びたいと申されたが、その理由を聞きたい。」


「はい、我が国は貴国と交易を通じて和を結びたいと考えております、そのためにも国と国同士が結びつくが重要にございます。」


「うむ、それで国と国が結びつくとは何だ?」


ロバートは単刀直入に聞いてみることにした。するとタイランは意を決したように話し出した


「我が国の王太子と貴国の姫君との御婚約にございます。」



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