表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

2日後②

「そうだねぇ…」

 ハルキは眉間に皺を寄せながら昨日と一昨日のことを思い出そうとした。

「型がつくぞ」

 カーヤがそう言って眉間の皺をグイッと指で伸ばしたが、そう言う本人にくっきり消えない溝があるのだから説得力があるようなないような。

「仕方がないじゃないか。思い出すと訳がわからないし、不愉快だっ!」

 ハルキがそう言うとカーヤの大きな手がハルキの頭を優しく撫でた。


「でもさぁ、思い出すって言ったって…」

 ハルキはカーヤが入れた紅茶を口に運びながら、嫌々ながらも口を開いた。

「ずうっと、お前が殺したんだろ、何で殺したんだ、の繰り返し。それしか言うことないの、ってくらい。特に情報らしいものはなかったんだよね」

「ふーむ…」

 ハルキの言葉にカーヤは腕を組んで考え込んだ。


「だいたいさぁ、マエカさんって誰って話よ」

 ハルキが口を尖らせてそう言うとカーヤは少し首を傾げた。

「マエカ、マエカ…なんか…うーむ」

 出てきそうで出てこない、とカーヤが頭を掻きむしる。

「えっ、カーヤ、なんか知ってるの?」

「それが思い出せんから…」

 ハルキが驚いてカーヤを見ると、困ったような顔をして首をぐるぐる回していた。


「綺麗な人だったから、会ったことあるんなら忘れないと思うけど」

「見たのか?」

「写真で、だけどね」

「写真!?」

 カーヤが目を大きく見開いた。

「そうなんだ。たかが僕らの食事会が写真になってた。びっくりだよ。ほら、この間、トーヤと参加した、って言ったやつ」

「あぁ、あれな」

 カーヤは顎をさすりながら頷いた。

「ちょっと離れたところに、そのマエカさん、も写っていた」

「ふーむ…」

「でも、僕はマエカさん、と直接話したりはしてないんだよ。していたら忘れるわけないじゃんか。でもさぁ、あんな綺麗な人がいたら覚えていると思うし、話しかけてると思うんだけどなぁ」

「だろうなぁ…それにしてもこの間ハルキとトーヤが参加した、あの、食事会の時の写真ねぇ」

 カーヤはしばらく黙って考え込んだ。


「そういや、トーヤが、『ハルキのせいで睡眠時間削られた、会ったら文句言ってやる』って言ってたな」

 カーヤの言葉に、思わずハルキは、ゲッ、と声を出した。

「あいつはあいつなりにハルキのことを心配してんだよ」

 カーヤはそう言って、ハハッと笑った。


「とりあえず、緊急会議、だな」

 久しぶりに見るカーヤの真剣な眼差しに、ハルキはグッと顎をひいて頷いた。

「まぁ、ハルキは今日1日ぐらいはゆっくりしてろよ」

 カーヤはそう言うと大きく伸びをした。

「さぁ、忙しくなるぞ」

 カーヤの言葉にハルキは思わず立ち上がって、カーヤに苦笑いされた。

「ハルキは明日からな」

 その言葉にハルキはコクリと頷き、とりあえずまたベッドの中で安眠を貪ることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ