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2日後①

 ハルキが目を覚ますと、そこは鉄格子の中ではなかった。

 ふかふか、とまではいかないが、そこそこ寝心地の良い寝具に包まれており、ハルキは目を擦りながら首を傾げた。

「遅いお目覚めで」

 ハルキが寝ていたベッドの横に座っていた体格が良い男ににそう言われ、ハルキはほんのり気まずさを感じながら身体を起こした。


「ここ、カーヤの家?」

 尋ねたら、男はあぁ、と頷いた。

「せまっ苦しい部屋だろ」

「…僕んとこと変わらないんじゃない?」

 住む人間が違うからより狭くは感じるかもしれないけど。

「ま、そうだよな」

 僕らに広い部屋など必要ない。

「とりあえず、飯食っとけ」

 カーヤはそう言って立ち上がるとすぐそばにあるテーブルに皿を並べた。



「んー、美味しい!」

 呑気に朝食を食べながらそう笑みを漏らすハルキを見ながら、カーヤは盛大にため息をついた。

「おい、もうちょっと落ち込んだりしないのかよ」

「ムダなことは、しない」

 ハルキはそう言って、目の前のパンを口いっぱいに頬張った。

「ムダ、ねぇ…」

 カーヤは呆れたようにそう言いながら、ハルキの皿にパンを追加した。


「そういやハルキ、ついにお前人殺したんだって?」

 ハルキが朝食を食べ終わると、カーヤはそう言ってニヤリと笑った。

「そんなんするわけないよ!」

 ハルキはブンブンと首を横に振った。

「ま、そうだよな」

 カーヤはあっさり頷いた。

「で、牢屋の中は快適だったか?」

 カーヤにそう言われてハルキはじっとりとした目で睨み返した。

「いやぁ、スースーと気持ちよさそうに寝てたしなぁ」

「助けてくれて、ありがとっ!」

 膨れっ面になりながら、ハルキは顔を赤くした。


「んー、だけどさ」

 カーヤがそれまでのニヤリとした顔をおさめて真面目な顔になった。

「解決はぁしてないんだよな、ちっとも」

 その言葉にハルキはコクリと頷いた。

「何でハルキが殺したことになってんだ?」

「わかんないよ…」

「なんかそれらしいこと言われてないか?」

「なぁんにも」

 ハルキはあの高圧的な男たちを思い出しながら眉を顰めた。

「なぁんにも、ってことはないだろ。もう1日ぐらい放っておけばよかったなぁ。ん、なんなら今からもう1回行ってくるかぁ?」

「勘弁してよっ!なんか思い出すからさっ!」

 ハルキは慌ててそう言うと、2日間の出来事を必死で思い出そうとした。

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