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プロローグ。もしくは下馬評
住良木葵の最初の失敗は男に生まれた事だろうと俺は思う。弟として兄と関わっているとどうしても各所に出てくる違和感、それは日常のちょっとした仕草だったり、口調なんかに現れる。
やけに可愛らしいのだ。実際、兄のことを女性と勘違いしていた、という話を聞くことは多い。
以前、うちに来た友人などは未だに兄のことを姉だと思い込んでいそうだ。
しかしながら、人の印象というものは姿形で決まるものだ。いくら仕草が女性的でも姿形が筋骨隆々とした大男を女性と間違えることは無いだろう。
つまり、兄が女性と間違われるのはその仕草や口調だけで無く、容姿や格好、もっというと声までもが女性的なのが理由となる。
さて、そんな兄だが来月からは高校生だ。しかし受験勉強をしている様子は無い。
というのも、どこかの学校に推薦が決まっているとかなんとか。学校名は確か……西園寺学院……とかだったかな？
