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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

レインボーボンズ外伝

黒き将軍王

作者: TAK

『レインボーボンズ』シリーズ第一作目『将軍王のココロザシ』の外伝作品にて、セルフ二次創作です。


将軍王ヨシトルが自分の異名『将軍王』を世界に誇示したら…のパラレルワールドです。

(ああ…、お父様…、どうして…、あの…、国を…、滅ぼしたの…。わたし…、レスティーン(子供)の…、頃から…、あの人達に…、良くして…、貰って…、いたのに…。)

アスティア王城の一室でヨシーナ王女は窓越しに鉛色の城下を眺めていた。

(お父様が…、戦争を…、仕掛ける…、前の…、アスティアは…、皆…、生き生きと…、して…、いました…。なのに…、今は…。兵も…、民も…。)

先日、アスティア王国建国当初から同盟関係だった国の要人が父によって全員(はりつけ)にされた件を目の当たりにしたヨシーナは悲しみでいっぱいだった。暫くして兵士達は、

「全ては将軍王の為に!」

「将軍王にお味方せよ!」

「将軍王を世界の頂に!」

「将軍王万歳!」

とそれぞれ叫んだ。父の異名である『将軍王』の言葉にヨシーナ王女は耳を塞ぎ始めた。

(お願い…、お父様…、もう…、戦争…、やめて…。わたし…、怖いの…、お父様が…、遠くに…、行って…、しまうのが…。)

ヨシーナ王女はカーテンを閉めてベッドに一人横たわった。

(ああ…、わたし…、もう…、限界…、です…。)

ヨシーナ王女は絶望に打ちひしがれていた。次の瞬間、扉をノックする音がした。

(まさか…、お父様…?それとも…?)

ヨシーナは半信半疑で扉を開けた。すると、全身漆黒の甲冑をまとった女性騎士と見た事のないメイドがいたのだ。

「あなた達は…、一体何者ですか…?」

全く面識のない二人にヨシーナ王女は尋ねた。

「我々はお前をこの城から連れ出しに来た。」

「わたしを…、連れ出しに…。あなた達は一体…?」

「ヨシーナ様、初めまして。わたくしは『ジジョッタ』というメイドです。」

「私に名は無い…、強いて名乗るなら…、『戦女帝』だ。」

「あ…、はい…。わたし…、アスティア…、第一王女…、『ヨシーナ』です…。」

ヨシーナは突然の出来事に少し戸惑いながらも挨拶を交わした。

「ヨシーナよ、まずは院都モルガナへ向かえ。そして、『黒き将軍王』に抗う者と相まみえるのだ。」

「お父様に…、抗う人…?」

「そうだ、奴に身を寄せて生きろ。そして父の過ちを正すのだ。」

「はい…。」

ヨシーナは二人の手引きでアスティア城を脱出した。


そして、三人は裏口に差し掛かった。

「悪いがここでお別れだ。」

戦女帝はヨシーナに告げた。

「どうして…?出来ればあなたも…。」

ヨシーナは戦女帝に理由を尋ねた。

「私には他にすべき事がある。」

「すべき事…?」

「つまらぬ詮索をするな。ジジョッタ、お前は私に代わって彼女を主人として支えやれ。それから、モルガナへ行く道だが、近道のサファイア山道は危険だ。生きて越えられる保証はないぞ。」

「承知しました。このジジョッタ、これより主人を支えて参ります。」

そしてヨシーナとジジョッタはモルガナを目指してターコイズ街道を進んでいった。


その後、亡命の途中のコルホ山道で賊に囚われ、トラスティア親子に保護されるのだった。

『将軍王ヨシトルが自分の異名を世界に誇示したら…』を仮定してみてもほぼ同じ物語の流れになってしまいましたね。

本編の『将軍王のココロザシ』もご愛顧頂けたら嬉しい限りです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 企画より拝読いたしました。 この王女はどう見ても頼りなさそうなのに、何故主とさせ仕えさせたのだろうか……。頼りないから支えてやれという気持ちを隠してあんなセリフになったのかな? この王…
[良い点] 家紋武範様の「看板短編企画」からお伺いしました。 ただただ悲しんでいた王女が、人の力を借りたとはいえ、巣立ったのですね。
[良い点]  背景がわからなかったので、おそらく楽しみが半減していると思いました。 [気になる点]  改行を入れてもらえると息をつくタイミングがわかるかなと感じました。 [一言] 読ませて頂きありがと…
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