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青い春の戦場  作者: 真琴
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修学旅行1

風邪をひいていました。今日からまた書きます。

コメントありがとうございました。未熟者ですが頑張ります。モチベーションが上がりました。

「ただいま」


いつもの凛とのゲームセンターから帰り隼人は家に帰り挨拶をするがいつも通り返事はない。と思ったがリビングから父の返事があった。


「隼人ちょっと話がある。こっちへ来なさい」


隼人の家庭は両親とも会話がなくいつも静かであった。久々の父の声に隼人は少し恥ずかしかったがうれしかった。


「どうしたんだよ。父さん、母さん」


リビングへ向かい両親がいるテーブルの向かいに隼人は座った。先ほどまでの隼人の気持ちは両親の表情を見るとともに不安へと変わっていった。


「あなた私と父さんどっちについていきたい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「よーし、男女3対3でグループを作れ~。修学旅行の班決めするぞ~」


先生が教壇に立ち1時間目のHRが始まった。生徒たちは誰と班になるかなどにぎやかに話しあっていた。1人の少女を除いて。


「まだ、説明があるから座れ~。」

「先生!場所はどこっすか?」

「高橋~。お前手紙とか見てないだろ。まぁ小学生なんてそんなもんだよな。ってことでいろいろ説明するぞ~」

「「「はーい」」」

「いい返事だ~。まず行先は京都だ。二泊三日だ。ホテルには班の男女で別れてその3人で泊まるからな~。ゲーム機器の持ち込み、部屋への異性の持ち込みは禁止だからな~。まぁそこまでお前らもませてないよな~」


先生は説明をしているが隼人の耳には入ってこなく上の空であった。そして説明が終り、生徒たちが席を立ち各々班決めを行っていた。


「おい、おいってば!」

「あ、ごめん」

「何度も声かけたんだぞ」


 隼人は薫の声掛けに気づかず、昨日の両親との会話を思い出していた。


「どうしたんだよ。朝からぼーっとして」

「せっかく修学旅行が決まったのに」

「高橋、それはだいぶ前から手紙で説明が来てたぞ」

「そっかそっか。まぁでもこういう修学旅行の前のHRはワクワクするな!な、隼人」

「そうだね。じゃ決めようか班」

「そうだな、楽しもうな」


 そう言って薫は隼人の背中をたたいた。

 (「楽しもう」か。そうだな、ここで最後の思い出作りを楽しもうか)


「そうだな!楽しもう!」

「いきなり元気出したな隼人」

「おうよ!高橋と薫で男の班はいいか?」

「まぁそのつもりで話しかけたからな、高橋?」

「もちのろんよ!女子はどうする?」

「んー、隼人は誰かと行きたいってのはあるか?」


 隼人は教室を見まわした。するとある少女と目が合った。


「りーん、こっち来いよ!」


 凜はコクリとうなづき隼人の方へ向かっていった。


「おいおい、隼人いつの間にかにそんな五十嵐と仲良くなったんだ?下の名前で呼んじゃって。俺なんてまだ高橋だぞ」

「いやいや、仲良くはなったが下の名前で呼んでる理由は特にないぞ。そっちがいいって言われたんだ。あと、高橋は高橋で慣れちまっただけだよ。下の名前で呼んでほしいのか?歩くん」

「あー、やっぱ気持ち悪いわ、高橋でお願いします」

「は~い」

そんな話をしている中、凜が隼人たちの机の周りにつき隼人に問いかけた。


「どうしたの」

「どうしたの?って雰囲気で分かるだろ。一緒に修学旅行回ろうぜ」


 凜は少し笑顔でコクリとうなづいた。その笑顔に教室にいる生徒たちの目は点になっていた。普段は氷のように冷たい雰囲気を漂わす凜に対してギャップがあったのだろう。


「おいおい、五十嵐が笑ったぞ薫」

「そ、そうだな」

「お前ら凜を機械かなんかと勘違いしてないか?失礼だな~」

「いいの、私あんまり他の人と話さなかったし笑わなかったし仕方ないよ」


 薫と高橋は隼人と凜の会話を聞きながらにやにやして小声で会話をしていた。


「なんだよ、いい感じじゃねえか」

「そうだな俺たち夜ホテル出た方がいいんじゃないか?」

「それは考えすぎだよ高橋君。我々はこの少年少女を温かく見守ろうじゃないか」

「そうですね、早川さん」


 後ろでニヤニヤしながら話す二人組に隼人は少しばかりイライラした。


「何こそこそ話してるんだ」

「いーや、何でもないですよ。ね、早川さん」

「うむ」

「んだよ気持ちわりぃな」

「それはそうと他の女子はどうしようか?五十嵐さんの友達とかは?」


 高橋の言葉に隼人と薫は固まった。二人の雰囲気を察して凜はフォローをかけるが


「気にしなくていいよ、私に友達いないのは事実だから」


 さらに凍り付いた。

そんな時、女の子二人が隼人たちを囲むテーブルへやってきた。


「私たち二人で組んでて、なかなか人数合うところがなくて今他のところ探してるのよね。薫君、ここ入ってもいい?」

「おー犬山さんと神崎さんか。ちょうどよかったよ、こっちも二人組探しててさ」


 他の女の子たちがやってきて凜は気まずそうにうつむいた。凜はクラスでの自分の立ち位置を把握しており、自分がいたら嫌ではないかと考えていた。


「よろしくね五十嵐ちゃん」


 犬山が凜に笑顔で話しかけたが戸惑っている凜に対して笑顔で隼人が背中を押した。


「ほら」

「うん」


 一歩犬山に凜は近寄り「よろしく」と一言伝えた。


(こりゃ仲良くなるまで長そうだな)

 隼人はぎこちなく話す凜と距離を詰めていく犬山と神崎の女子3人組を見て保護猫に歩み寄るような光景に似ているなと思った。


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