転生
燃え盛る炎が私の体を呑み込んだ。
私は奴らに復讐すために悲鳴はおろか表情にも出さずにいた。声や表情を出したいが出したところでどうしようもないし、奴らに喜ばれるだけだ。
妹達がどうなったか分からない。私の意識がある限りでは声は何も聞こえて来ていないはずきっと復讐したい気持ちは同じ様に強いはずだ。
熱さはすぐに収まった気がするが目を開けることはできない。どんな事をしようが復讐してやると思ったけどやっぱり普通に死んでしまうのかな?妹達はどうなってるのかな?
何秒?何時間?何年?たったのか分からない。
真っ暗闇の世界、何も聞こえない、何も感じない、夢なのかこれが死ぬと言う事なのか分からない。
もしこのまま死ぬのなんて悔しい。街の奴等、パパママを殺した奴等に仕返したいのに。悔しい、悔しい、悔しい。誰でもいいからお願い。
「私、生き返って復讐したいよ」
突如私の脳内に声が聞こえてきた。
「おまえ、街の奴等に貼り付けにされて火炙りにされたんだってな、ヒャハハハハハ」
下品な喋りをする声が脳内に響き渡ってきた。
誰なの?私は見知らぬ誰かに問いかけてみた。
「俺様だよ。お前の復讐の助けをしてやろうと思ってな誰でもいいから助けてって思ったろ?」
死神、まさか死神が私に声をかけてきた!
「死神が何をどうやって私を助けてくれるの?何か理由があるの?」
「ただお前が生き返る場所はお前が住んでいた世界じゃねえぞ、別の世界だ、そこで現世に帰るすべがあるからそれで生き返れ」
復讐が出来るなら神でも悪魔にでもすがりたい私からしたら願ったり叶ったりだわ。
「で、もちろんデメリットもあるのよね」
「察しがいいね人間今からお前が生き返る世界で魔法を使えるようにしてやる。その魔法を使い見事復讐を果たしたら俺がお前の魂を頂く、つまり殺すって事だな」
私はふたつ返事で了承した。
「んじゃ、検討を祈ってる。ああそうそう異世界だと生きづらいだろうし一つ能力を付けといたわ、ランダムだから期待すんなよ」
突然に目が開けられそうになりそろりそろりと開けてみると、そこは家の天井らしきものが見えた。
天国?地獄?それとも生きてるの?今の状況は全くわからないけど、天井らしき物を見てるととても今、死んでるとは思えない。
私はゆっくり起き上がり辺りを見回してみた。
「ここどこなんだろ?誰かの家みたいに見えるけど天国っぽくない…そうだ!ジュリアとクレアがいないわ」
私はベッドから起き上がり妹を探そうとして気付いた。
近くにある鏡を見で自分の顔を見てみると顔も髪もすごく綺麗で、焼かれたなんて嘘見たい。
確か魔女狩り処刑でボロボロになってたはずだけど、あーもう。頭が追いつかないよ。
そんな事よりジュリアとクレアはどうなったのかしら!まさか私だけあなたの力で訳のわかんない世界に来たの?
もしそうなら、2人を残してまで復讐なんて出来ない。でもどうしたらいいの?
「ジュリアー、クレアーどこにいるのー」
「安心しろ女、ちゃんと同じ世界で生かしといてやってるよ」
そうなのね、って私のこと見てるの?
こっちだこっちとどこからか声が聞こえるけどそれらしい姿見えない。どこにいるの?
振り向いて下に視線をやると真っ白なモフモフしてる猫がそこに居た。
私は思わず可愛いと思い何のためらいもなくその猫を抱きしめた。
「てめー誰に許可貰って抱きしめとんじゃい!俺様は死神様やぞ」
えーそうなの?私を偉そうに異世界に飛ばして、復讐させて私を殺そうとした死神様が可愛い猫ちゃんになってる。
「俺の姿は基本俺と契約したやつしか見れないからお前、側から見たら頭おかしいやつだぞ」
私は渋々可愛い猫ちゃんを離した。
それでは私はこれから何をすればいいのか、早く妹に会いたいのだけどどうしたらいいのか尋ねた。
死神ちゃん曰く2人も探しているだろうからこの街で有名になって他国に名を轟かせて居場所を教えるんだそうだ。
連絡手段がない以上それしかないのかな…