処刑
どこか安全な場所へと思い街のはずれにある丘へたどり着いた先で見たものは街の人全員と神の使いの男がいた。
「お美しい三姉妹さん、鬼ごっこはこれでおしまいです早く神の怒りを鎮める生贄になりなさい」
私は、声も出ない程の絶望感、たった数時間で顔は痩せ、髪もボサボサになっていた、妹達も美人が台無しの表情で座り込んでいた。
観念した、いや、観念と言う言い方は違う気がする。
無実ではないにしろ、たったそれだけで三姉妹を神の冒頭で処刑されなければないなんてあり得ない。
そんな言葉でなくなり、そのまま地面の上に座り込んでしまった。
「お前ら3人共神の生け贄になって安らかに死んでくれ、この街の秘密を知ってるか?ここは魔女狩りで有名になったんだぜ」
そんな話始めてきた、この街でそんな事があったなんて知らなかった。
街の奴等に引きずられ、私達は十字架に磔にされた、ジュリアもクレアもずっと泣いていて、自分のした事を誤っていた。しかし誰も聞く耳を持ってくれない。
「両親にまた会いたくて亡くなった2年前から降霊術のこと調べてた、もうこんな事しないから許してください」
クレアが泣き叫ぶ
「降霊術やったのは私とクレアだけだ!姉ちゃんは関係ない」
長女なのにもう諦めてしまい、下を向いたまま、何も言わなかった。
「さぁ、街の皆さん、火をつけて下さい」
それぞれの十字架に火がつけられた。
火は勢いを増し、もう足元まで近付いていた。
「最後にいい事を教えてあげましょう。この街が魔女狩りで有名と言いましたが、映えある第1号はあなた達の両親なんですよ」
私達は下を向いていた顔を上にあげ、男を見た。
「親御さんも同じ場所で同じように火あぶりにしてあげたんですよ、魔女なのかは知らないですけどね」
「なんで…そんな事初耳だわ」
「処刑する為にお前ら三姉妹を別の街へ移動させた、お前ら何年か前、三人だけで旅行行ったの覚えてないか?その時だよ」
街の人達も魔女狩りを楽しんでいて私達を処刑する日を楽しみに待っていた事、今日まで監視していた事、幸せから絶望に叩き落とすために平和を偽っていた事、全ての真実を聞き私は復讐したい、仇を討ちたい、その衝動に駆られた。
火はどんどん上に上がってくる。
「ジュリア、クレア、今の話しを聞いて私はこいつらに復讐したい、来世だろうがゾンビになろが、その為に、この火の熱さを体に焼き付けるために、絶対に声をあげないで欲しい、忘れないために」
「姉ちゃん私も同じ事考えてた、絶対復讐してやろうぜ」
「私もパパやママの敵討ちたい、熱くても声出さない」
「さすが神の冒涜社、わけわからん事を言いますね」
神の使いの男、街の人全員、馬鹿にするように笑っていた。
火は完全に私の体を覆った。
熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い熱い。
苦しい、煙が口の中に入り呼吸もできなくなって来た。
それでも私達はその顔を、炎の熱さを忘れないために一言も発さなかった。
やがて火が周り、目を閉じて最後に絶対に復讐してやると思いながら全身に火が周り、私は意識も何もなくなった、きっとジュリアもクレアも同じに違いないと思いながら。