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The broken brains is  作者: masaya
序章 断片
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First Is End

上手く思い出すことが出来ずにいた。喉に魚の骨が刺さっているような薄気味悪さだったが思い出せないとい事は大して重要なことではないのだろうと思い一先ずそのことから意識を逸らす。未だに大きな音を立てPCはデータを読み込んでいる状態だった。次から次へと出てくるフォルダーに目を通すだけで一体何日かかるのだろう。そんな事を思っていると電話が鳴る。内線ではなく外線の着信音。一体なんだろう。彼女はいつも通りに電話を取りPCに読みこまれて行く資料を眺めつつ耳に近づける、と先ず耳に入ってきた音が無音であった。

「もしもし?」

「・・・」

悪戯電話かとも思ったが施設(ここ)に悪戯電話をしてくるメリットが相手にはないと思いたち何かしらのアクションがあるまで彼女は電話を切らずにいようと思いたつ。しばらく耳をすませていると若干ではあるが吐息のような息音が聞こえてくる。呼吸の仕方からして随分と年齢は若い方だと言うことが分かる。しかし、一向に相手から喋り出すことは無い。しかし、彼女もまた意思は強く、一度決めた事を曲げるような性格ではない。そのまま無言電話に耳を傾けていると相手からやっとコンタクトを取ってくる。

「手を引け・・・」

「・・・やっと声を出してくれましたか。それで手を引けとはどう言うことですか?」

「・・・」

彼女が言葉を返すとしばらく沈黙が続くかと思いきやすぐに返答が返ってくる。

「これ以上知り過ぎると死ぬぞ」

そう言い放つと相手からの電話が切れ、彼女の表情は若干ではあるが強張ってしまう。誰だって、見ず知らずのそれも顔も分からない不気味な人物に、死ぬ、なんて単語を突きつけられればそうなるに決まっている。しかし、彼女は自分が目にしたものしか信じない。たとえそれが自分のいつか来るであろう、死、でもだ。彼女は強めの力で受話器を叩きつけてしまう。流石に信じないと思っていても不快な言葉を言われてしまうと彼女も苛立ちを覚えてしまったのだろう。一度背もたれに体重を置き天井を仰ぎ、深く深呼吸を数回する。

「それにしても、一体誰だったんだろう。まあ、外線だから録音してあるはずだし。明日にでも調べてみよう」

彼女はまたPCの画面に視線を戻しファイルを一つ、一つクリックし見始める。一体、どれだけ時間が経ったのだろう。施設の中は時間が読めないため時計を見るしかない。時間を忘れてしまう。彼女はジッと休憩をすることなくPCの画面に釘付けだった。数時間は確実に経っているだろう。しかし、未だに全てのデータをPCに読み込み終わっていない。2Tと言っていたがそれ以上に情報は入っているようだった。彼女は次々とその情報をある場所へ送り続けていた。彼女はきっと悟っている。数時間前に電話越しに言われた言葉が本当の事だと言うことがデータを見て行くうちになんとなく分かってしまった。そう、彼女は、知り過ぎた、のだ。最後の最後まで彼女はデータを送り続ける。断片の情報だとしても無いよりはまし、だと信じて。そして、彼女はデータを送っている時にあるメッセージも添付していた。




『世界の崩壊は近づいている。旧人間は新類によって殺されてしまう。それは自然現象ではない。人的現象である』、と。

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