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夏生詩集

まばゆい五月の晴天に

作者: 夏生

薄い青のカーテンに覆われた一角


白いベッドの上に横たわる幼い息子

息荒く、痛みに泣いて目を覚ました


僕は小さな胸に手をあてて

助けてくださいと

目に見えぬものすべてに向けて祈った


ふと顔を上げると

窓の外で陽射しを浴びた木々が風に揺られて

眩しく輝いていた

その前を親子が心地良さそうに通り過ぎる



吐瀉物にまみれた僕のかばん

親切な人たちから頂いたちり紙で何度も何度もかばんを拭いたのに


青葉が輝いて音なく揺れていた


漠然とした不安がはっきりとした恐れに変わる

まばゆい五月の晴天が僕には

何よりも酷く思えた
























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