王騒ぎ ~始動~
色々ありまして投稿が遅くなりすぎました、申し訳ありませんでした。
出来る限り早く更新できるように頑張ります。
名もなき兵士達が誰の所有物か分からない下着を凝視しながら絶望していると
唐突にエスクードから声が発せられた。
「むっ・・・・そろそろか」
急な発言に兵士達の頭にクエスチョンが浮かび上がった。
「そろそろとは、どういうことでしょうか?」
疑問を言葉にだした兵の顔をみたエスクードは満面の笑み
エスクードの満面の笑みほど兵士たちにとって最悪なものはない
一体なにが起こるのか、戦々恐々していると
優しい風が兵士達の顔を通り過ぎ
「下着と聞いて」
「愛しの旦那様がここにいると聞いて」
と声が聞こえたのである。
しかし、気配もなくここにくるのは本来であれば有り得ないことであった。
ザライア国の兵士にとって気配察知は必須スキルといってもいい
それが察知できなかったということは自分たちでは勝てないということを自覚させられたのである。
「ワハハハ!お前たちまだま訓練が足らないようだな!」
エスクードの発言に「これは、ヤバイ!」と兵士達が焦りはじめた。
「あらあら、そんな厳しい事言ったらダメですよ?兵士たちが可哀想ではありませんか」
「ジュリア様の言う通りでございます」
兵士達は声の方に視線を向けると
そこには・・・
エスクードに抱きついてる王妃と頭を撫でられながら下着の匂いを嗅ぐメイドが!
「王妃様、クレア様!!」
ようやく兵士達は、エスクードが言った意味を理解し
この3人が揃った時、兵士達の平穏は終りを告げたのだった。
しかし、自分達の被害を抑えたいがために分かっていても懇願することを選んだ
「王妃様、クレア様!!どうか陛下の止めてください!!」
「誰の下着かを民達に当てさせるとか、どう考えても絶望しかありません!」
静かに聞いていたクレアとジュリアはそっと口を開けた
「さすが私の愛しい旦那様だわ!!準備しないといけませんわね!!」
「エスクード様は私の為にこんな催し物をして頂けるなんて・・・」
ジュリアは歓喜しクレアは感動のあまり涙を流し始めた。
「うむうむ!ちゃんと特別ゲストとして俺の横に座って一緒に眺めようではないか!」
「「エスクード様の傍から離れる事は未来永劫ありませんとも!!」」
「「「オウイエーーーーー!!」」」
息ピッタリのやりとりを見ながら兵士達は行き場のない震える拳を携えて
もう相手にしてはいけないとこの場から離れようとした。
「・・・・ワタシタチハヨウガアリマスノデ・・・」
立ち去ろうと歩きだした瞬間、声が掛かった
「さっき・・・気配察知できてなかったよな?」
「「「えっ!」」」
「訓練をサボってた事を知らないとでも思っているのですか?」
「「「うっ」」」
「頼みたいことがあるのですけど、よろしいからしら?」
「「「あぁ・・」」」
弱み所を二人に突っ込まれ、王妃からの頼み事
退路を絶たれ、崩れさる兵士達
「お前達にはシュリに悟られぬように工作してもらうのと会場の設置を頼む」
「前に使った簡易のモノがございます、それを組み立てるだけなので直ぐに終わると思いますよ」
エスクードとクレアの発言により、兵士達の寿命が急速に縮んだのは言うまでもない
「我々は少し出かける、後は頼んだぞ!」
3人はとんでもない跳躍力で城壁の上に飛び華麗に着地した。
「何処へ行かれるのですか!」
「民達に教えなければならんだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ジュリア、クレア俺に付いてこいっ!!」
「「オウイエー!」」
遠く離れていくエスクード達をみながら兵士達は
「なぁ・・ちょっといいか?」
「何だ?逃げられないぞ?もし逃げたらS級訓練1ヶ月の旅くらいじゃ済まされんぞ?」
「そんな事は分かってる、俺が聞きたいのはそんな事じゃない」
「じゃぁ・・・なんだよ?」
「クレア様・・・下着の匂い買いでたよな・・・」
「「・・・・・・・・・・・」」
「立ち去る前・・・下着を頭に被ってたよな・・」
「「・・・・・・・・・」」
「羨ましいよな・・」
「「ああ・・」」
「行くか・・・」
「「おう・・」」
ザライア国は、今日も平和である。
誤字脱字、感想がありましたらよろしくお願いします