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子供

〈春の風邪傳染すなんてさ誰のせゐ? 涙次〉



(當該シリーズ第48話參照。)



【ⅰ】


薩田祥夫、自分が責任者となる教會、「日本エクソシスト教會」を設立し、カトリック界から足を洗つたのは、「參照」の通り。で、テオの次はルシフェルに洗禮を受けさせやうと目論んでゐる。「魔界健全育成プロジェクト」担当官・仲本堯佳に憑依してゐるルシフェルの許へ足繁く通ひ、だうにか彼を「落とさう」としてゐたのだが...



【ⅱ】


ルシフェルは、薩田の熱意を認めてはゐたが、自分が何がしかの宗教の信徒になる事など、思ひも寄らない。薩田の「夢」に絆される事は絶對になかつた。一言で云へば、ルシフェルは「迷へる子羊」ではなかつたのである。で、段々薩田の意氣込みが煩はしくなつて來た。然も、薩田「貴方が首を縦に振らなければ、私の取つて置きの*『聖水』を使ふ事も出來る。これは貴方を、大天使時代の貴方に戻してしまふ効力を持つてゐる。私の『聖水』を舐めないで慾しい」-



* 前シリーズ第96話參照。



【ⅲ】


ルシフェルは思つた。これは一種の脅迫ではないか。そして薩田を斬るやう、カンテラに要請したと云ふ經緯。だが、カンテラとしては、係累を斬るのは、石田玉道(前々回參照)で懲りてゐた。嫌な目に遭ふのは斬り死にした当人ではなく、カンテラ自身なのだ。カンテラ、薩田に説得の勞を摂つても、彼を止めさせるに強くはない、と考へた。何故なら、カンテラにしてみれば、ルシフェル、薩田共に、掛け甲斐のない「戰友」逹だからである。



【ⅳ】


じろさん、「こいつはストレートに云つた方がいゝんぢやないか?」と云ふ。詰まり、ルシフェルのカンテラ一味にとつて大事な面を、薩田に訴へる、と云ふ事である。「さうするか」とカンテラ。「薩田さん、ルシフェルは俺逹にとつて必要不可欠な何かを持つてゐます。その『何か』を説明するのは難しいが、兎に角、彼の一味アドヴァイザリー・スタッフとしての働きには、目醒ましいものがある。彼は、我々にとつて欠くべからざる存在なのですよ」



※※※※


〈雪消える不思議と云へば不思議だが余りに当たり前の現象 平手みき〉



【ⅴ】


だが、薩田はルシフェルと云ふ「大物」を「落とす」と云ふ自らの夢に熱中し過ぎてゐた。カンテラの弁に對し、彼の頑是ない一面が露はになつた- 云ふなれば、彼は子供が自分の夢を保持する事に拘るやうに、ルシフェルと云ふ一大牙城を崩す事に拘つたのである。



【ⅵ】


こゝでじろさん、或る畸策を提案した。「倖ひ、『聖水』、* 俺の持ち分が殘つてゐる。これを、薩田さん自身に使つてみやうぢやないか-」。これは余りに突飛なやうに見えたが、一理ある事は確かだ。「聖水」とはそんな萬能藥なのである。



* 前シリーズ第146話參照。



【ⅶ】


カンテラ、薩田に會ひ、兼ねてから用意の「聖水」を、ぴしやつぴしやつと薩田の頭に振り掛けた。「薩田祥夫の中の、野心の【魔】よ、出て行け- こゝはお前のゐるべき處ではない。アーメン」そしてカンテラ、見やう見眞似の十字を切つた。「たばかつたな!」と薩田に云はせたのは、子供の姿をした一匹の【魔】だつた。「ぐええええつ!!」と【魔】は呻き聲を出し、やがて薩田の躰を「見捨て」た。薩田は白眼を剥き、口からは泡を吹き、昏倒した。果たして、子供の【魔】が憑く程、薩田は純粋だつたのだらうか?



【ⅷ】


さて、その後だうなつたかは、讀者の「讀み」に任せやう。作者として怠慢なやうだが、これこれかうなつた、と説明がましい事をするより、お話が膨らむんぢやないかな。結果として、未だルシフェルも薩田も、カンテラに脊を脊ける事なく、あつた。と云ふのが參考にはならう。



【ⅸ】


今回はじろさんの知惠働きに焦點を当てた。一流の武道家は知略にも優れてゐる事の、一つの証左にはならう。チヤンバラだけが、一味の活動の全てゞはない。例へノーギャラでも、地道な努力は續けて來た一味である。...と云ふ譯で、このエピソオドを終へるとしやう。ぢやまた。



※※※※


〈發熱のきみよ根雪は溶けたのか 涙次〉



PS: 髙市自民党の大勝利が余りに口惜しいので、私の詩を載せる。或ひはこれは蛇足かも知れないが... 永田。



(投票行つて來た...)


政治がきみを見放すんぢやない

きみが政治を見放すんだ

俺に舊字舊假名を教へた人は

オール與党だつたらいゝのに

と云つた

それで俺は離叛したつて譯さ

離叛後彼は直ぐに死んぢやつたんだがね


俺にとつては

投票権は數尠ない

市民として行使出來る権利だ

俺は孤獨を抱へ、云ふ

さうなつてみろネトウヨめ

さうなつてみろ「國民」どもめ



擱筆。


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