第十一章 冬の祈り
一月も半ばを過ぎ、庭は厳冬の季節を迎えていた。梅の木がつぼみを膨らませ、福寿草が雪の下から黄色い花を覗かせている。
エリシェバは、もはやベッドから起き上がることも難しくなっていた。しかし、彼女の心は穏やかで、深い平安に満ちていた。
「エリシェバおばあちゃん、私たちがずっとそばにいるからね」
リリアが、いつものように窓辺で優しく語りかけてきた。他の妖精たちも、日々訪れては励ましの言葉をかけてくれる。
「ありがとう、みんな。私は本当に幸せ者ね」
花々も、窓越しにエリシェバに語りかけてくる。冬の寒さに耐えながら咲く花々の声には、特別な力強さがあった。
ある夜、エリシェバは不思議な夢を見た。庭全体が金色の光に包まれ、そこにヨハネスの姿が浮かび上がる。彼は若々しく、かつての面影そのままに微笑んでいた。
「もうすぐだよ、エリシェバ」
ヨハネスは、優しく手を差し伸べた。
目覚めると、部屋には天使たちが集まっていた。ガブリエル、ミカエル、そしてウリエル。彼らは静かに、祈りの歌を歌い始めた。
その歌声は、まるで天国からの光のように、エリシェバの心を包み込んでいく。




