表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ハウスシリーズ

ホラーハウス 演技

作者: リィズ・ブランディシュカ



 怖い物を怖がる女の子を演じようと思った。


 だから私は、退屈で仕方がないホラーハウスに入って、きゃきゃー悲鳴を上げている。


 男性って庇護欲が湧く女性を、好きになりやすいらしい。


 自分より劣っている女性がいいだなんて、おかしいったらないわ。


 でも面倒だけどしょうがない。


 がんばって演技をしなくちゃ。


「きゃー。おばけ! 怖いわ! 助けてたっくん!]

「大丈夫だよなっちゃん! 僕が守ってあげるからね!」


 勇ましい声で私をかばってくれるたっくん。


 とってもかっこいいわよ。


 かっこよくて本当に滑稽ね。


 子供の頃はわざとらしいぶりっ子が大嫌いだった。


 私の知っている女の子達は、そんなぶりっ子が大嫌いで、そういった子をいつも仲間外れにしていたわね。


 ぶりっ子なんてしたって何が楽しいのやら。


 そんな事をして同性の敵を作って、いったいどんな良い事があるんだろうと思っていた。


 でも大人になっていくにつれてだんだんと理解してきたの。


 そういった人間はただ、自分に必要なものを取捨選択しただけだった。


 同性のお友達より、異性にちやほやされる方が良かったんででしょうね。


 今の私と同じだわ。


 結婚、結婚、結婚。


 本当にうざい。


 やかましい両親や親戚の連中を黙らせるのにはこうするしかないもの。


 安心してたっくん。


 私、結構演技が得意だから、最後まで可愛げのある女を演じてあげるわ。


「きゃー。いやー。助けてたっくん!」

「なっちゃんは俺が守るよ。大丈夫だからね」


 あなたにとって都合のいい女でいてあげる。

 だから私に都合のいい男でいてね。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ