ライト兄弟に飛行機を飛ばさせるべきではないのか?戦争と軍事技術について
政治的主張ではなく、現実の外交問題として見てください。
あくまで政権への肩入れではないことをご了承願います。
昨今、某学術会議の件で世間が騒ぎ、科学の平和利用やら戦争技術の危険性だと話がこじれ、カオスと化している日本の報道について。
自称平和主義者やら、リベラリストは揃って学問の自由を叫びつつ、防衛省が提唱する協力事業については軍事技術に繋がるからと潰していくやり口には辟易します。
彼らの主張を汲むならば、大量破壊兵器を運搬できる飛行機ですら開発してはいけないと言えます。
ライト兄弟は飛行機を作るなと言うに等しいですよこれは
軍事と科学は決して縁は切れません!!
飛行機だけでなく、私達が生活に利用しているGPSやインターネットだって軍事技術から発展してます。米ソ宇宙開発競争の最大の目的は宇宙飛行士を上げるのではなく、GPS技術の確立ですから。
これまで天測法や電波棟からの情報だけで船や潜水艦が目標の無い海の上で海図とにらめっこし、時間をかけて自分の位置を把握するようにしてたのがリアルタイムで把握できることで戦略兵器の運用体型が一気に変わり、比較的短期間で戦争を終える時代が到来しました。お互いがその技術を同じ時代に開発できたことで睨み合うことができ、今日の平和が生まれました。
もし、米ソの宇宙技術に格差があれば、はっきり言って外交が成り立ちません。
力無き外交は無力です。
先進国は二度の世界大戦を経てそれをしっかり学んでおりますから、NATOや日米同盟は存在してます。
欧州の力無き国々は外交努力をしてもナチスやソ連にあっさり侵略されました。
やられなかったのは地理的に中立を守れたスペインやポルトガル、スウェーデン、小国ながらも事前に力を見せたスイス、フィンランドに第一次大戦でのダメージを抱えつつも国内改革で力を維持したトルコくらいです。
占領された国々では政治家や市民が相手に対し話し合いによる高度な自治を求めましたが、あっさり虐殺されました。(笑)
戦争が終われば殉教者として銅像くらい建ててくれると期待したのでしょうか?
なら、フランスみたくレジスタンスした方が百倍ましです。
日本の島原で起きた天草四郎率いるキリシタン軍は藩主の厳しい年貢の取立てと宗教弾圧に屈することをよしとせず、生存権をかけて壮絶な戦いを展開しました。彼らは敗れたものの、幕府側も甚大な被害を被ったことで指揮官の松平信綱は真相を究明し、結果として反乱の原因は藩主の厳しい年貢の取立てであると弾劾し、島原藩主は斬首されました。(幕府の歴史上、大名が切腹ではなく斬首されたのはこの一件のみ。なお、松平信綱はその優れた手腕により明暦の大火でも飢民救済に活躍しました)
結果としてこの戦い以降、幕府は反乱を恐れて過激なキリシタン弾圧を控るようになり、隠れキリシタン達の末裔が明治期まで生き延びることができ、今も長崎にはキリスト教徒の方々が多数おります。また、幕府も大名達に対し領民に対する過度な年貢の取立てを控えさせ、領国安定を推奨すると共に小藩であっても有能な人物は幕臣に取り立て世界史的にも珍しい平和な時代を築き上げました。
今も長崎にいるキリスト教徒達の言い伝えでは天草四郎は自らの命を持って戦い、日本に残るキリシタン達を救った英雄として称えられています。
ヤクザに暴力で脅され非暴力平和主義から黙って娘を差し出す父親、暴力に屈せず娘を守るためにヤクザに立ち向かった父親のどちらが社会的に評価されますか?
非暴力でいうとインド独立の父のガンジーを例える人がいますが、彼もまた暴力で解決するなら暴力を選択すると言ってます。レジスタンスしても英国はテロとして世界に対し、鎮圧の大義名分を得てしまう。故に彼はインド人を敢えて逮捕させて暴行される様を世界に発信することでインド人は被害者であり、英国は冷徹な支配者という印象を植え付けた上で、各国国民の同情を誘うことで独立を勝ち得たのです。
彼は世間で言われる平和主義者ではなくバリバリの武闘派とも言えます。だって自らも含め、目的達成のために死者が出るのでさえ恐れないのですから。しかも、彼は未来ある有望な部下を守るために進んで逮捕され、ハンガーストライキまでして死にかけました。
こんな人、軍人でもなかなかいませんし、日本の特攻隊にも通じるかもしれません。私からすると名将に等しいです。
因みに、日本で特攻を指示した指揮官の多くは戦後、言い逃れしてますが。(大西中将や宇垣中将等を除く、彼らは本当に責任を感じて自決しました)
話を戻します、戦争と科学について更に深く掘り下げますと1906年にドイツで開発されたハーバーボッシュ法があります。水と石炭と空気でパンを作る方法と言われ、現在でも窒素化合物を作る常套手段です。
この開発により、それまで地球上においてごく限られた地域にしか無かった硝石に依存していた化学肥料の生成が、容易にできるようになり19世紀に提唱されたマルサスの人口原理による人口増加と食糧生産の限界を突破し、多くの人々を飢えから救いました。
しかし、硝石は火薬の原材料としても使われています。ハーバーボッシュ法の実用化により、これまで輸入硝石に頼っていたドイツは火薬を国内で容易に調達できることで第一次世界大戦を長期化させることになりました。
ハーバーボッシュ法を発明したハーバーとボッシュは当初、化学肥料の増産をすることを目的にしてました。特にボッシュは後年ヒトラーに対し、科学技術振興の観点からユダヤ人の弾圧を止めること及び産業体型の限界から戦争を拡大すべきでないと訴えましたが聞き入れられませんでした。
戦争と科学は決して縁が切れない表裏一体の関係です。科学者が戦争を防ぐというのは只の妄想であり、独り善がりも良いところです。
戦争とは外交における話し合いの延長であり、話し合いで済まないから武力で脅すのです。
故に話し合いをするにはまず、軍事や経済力といった自国内に強大な力を持つことが前提です。
富国強兵は古今東西、外交の基本ですよ。
お金や口先では戦争は防げません。いい加減に歴史から学んでください。
今の外交で大事なのは相手に舐められないことです。
1953年、日本に軍隊が無いことを良いことに竹島が韓国に不当占拠されました。領土を奪われたことにより、日本政府は国防の大切さを再び思い知るようになり、翌1954年7月1日に自衛隊を誕生させ、防衛力復活を世界にアピールしました。
それ以降、我が国は尖閣を含め領土を奪われておりません。
フォークランド紛争を例にするまでもなく、一度でも領土を奪われたら流血するまで取り返すことが難しくなります。流血なら一瞬で解決、話し合いは半世紀以上かけても解決しません。
そら超現実主義者のサッチャーさんも戦争を選びますわ。
自称平和主義な学者さんは自分達の論点が既に半世紀以上から歪んでて、空虚であることを理解してください。貴方達が軍事に無頓着かつトンチンカンな理屈で学問の自由を阻害してますよ。
しかも、隣国に危険な技術を流出させてないか理解してますか?貴方達の技術が知らぬ間に私達の生活を脅かすことになりますよ。
軍事技術に携わることは決して恥ではありません!!
今一度、今回の騒動を期に戦争と科学について見直して欲しいところです。任命しないからといって学問の自由のどこが侵害されるので?まさか、自分達の主張実現のために国からお金をたかりたいのですか?自衛隊と違い、貴方達は外交で何を貢献されましたか?
貴方達が浪費させたお金で何人の才能ある貧困苦学生が救われるのでしょうかねえ...
戦争を防ぐのは島原の乱で活躍した松平信綱のような優れた政治家にしか成し遂げられないのです。ようは銃を作る技術を制限するより、引き金を引く人間の意識をまず高めなければならないのです。
彼らの理屈は結局のところ「ライト兄弟に飛行機を飛ばさせるな」ということに直結すると私は考えます。
幕府中興を担った松平信綱の手腕には驚かされます。彼が治世を行った埼玉県川越市では今も名君として語られているそうです。
武士でありながら流行りの茶会や酒宴を好まず、真面目な堅物で若者達と政治談義が好きという性格でしたが、軍事においても島原の乱で優れた采配を見せたため、徳川家光が「もう一人いれば楽なのに」と呟いたとか。