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***


夕食を作っていると波多野さんが帰って来た。


「おかえりなさい。」


いつも通り出迎えるが、波多野さんほ何だか不機嫌な顔をしている。


「花緒、話がある。」


コートとカバンを置いた波多野さんは、いつもとは違うぶっきらぼうに言って私を見る。

その真剣な面持ちに、私は息を飲んだ。

な、何だろう?


「今日、木村に何された?」


ドキリと胸を打つ。

けれど私は平静を装う。


「別になにも?」


「三浦さんから聞いたけど。」


三浦さん、何を言ったんですかー?!

私は動揺しないように、至って普通に、そうフツーな調子で言った。


「お手伝いしただけ。」


「お手伝い?何の?」


「何って、何か製本作業みたいな?」


ちょっと可愛く首を傾げてみたのに、波多野さんは冷たい目をして私を見据えた。


「花緒、隠し事はなしだ。」


咎めるような言い方に、私の頭の中で何かが切れる音がした。

ずっとモヤモヤくすぶっていたものが、一気に溢れ出てくるようだ。


ちなみさんって誰?

ちなみさんって誰?

ちなみさんって誰なのよ!


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