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無駄にドキドキしながらタクシーを降りると、波多野さんも着いてきた。

な、何だろう?

これはもしや、家まで送ってくれるってやつなのでは?

すごく嬉しい!

すごく嬉しいけど!


「あ、あの、波多野さん?一人で帰れますよ。」


あまりの緊張に耐えきれず、私は心にもないことを口走る。

こういう時こそ素直になりたいのに。

送ってもらえることがとんでもなく嬉しいのに。


「んー?俺んちもこっち方向だから、ついで。」


そう言って波多野さんは私の隣を歩きだす。

ついでって、ついでって、だって波多野さん、本当に家こっちなの?

ああ、こういう時に限って緊急連絡網で確認済みの波多野さんちの住所が思い出せない。

それに、自然と道路側を歩いてくれる波多野さんに、私はもう胸が張り裂けんばかりにときめいていた。


そんな甘い時間はすぐに終わりを迎える。

それもそのはず、家のすぐ近くまでタクシーで来たのだから。


「ここのアパートなので。送ってくださってありがとうございました。」


ううう、名残惜しいよぉ。

もっと一緒にいたい。

私の心の中は大騒ぎだ。


「じゃあな。」


「はい、お疲れ様でした。」


ペコリと頭を下げると、その上から波多野さんの大きくて温かい手がポンポンと優しく触れた。

ああ、もう幸せすぎて泣きそう。


たくさんのときめきとドキドキを胸に波多野さんと別れ、私は道路から裏側にあたるアパートの入口へ回った。

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