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私の焦りなど気にもせず、木村さんは艶っぽい声で囁く。


「花緒、キスしよ。」


えええええーーーーー!!!!!


展開についていけず、私は真っ赤な顔でフリーズしたままだ。

それを肯定と受け取ったのか、木村さんは私との距離を詰めてくる。

どんどん近くなると木村さんからふわりと悩ましげな香水が香り、私の体は魔法にでもかけられたかのようにさらに固まった。

吐息が聞こえる距離になっても私はどうしても動くことができずに、ぎゅっと目をつぶった。


瞬間、


ジリリリリリリリリリリリリリリリリ!!


けたたましい音が鳴り響き、ふっと魔法が解けたかのように私は音の正体が自分のカバンから聞こえていることに瞬時に気付いた。

大慌てでカバンからスマホを取り出してその音を止める。


「ご、ご、ご、ごめんなさいっ!」


木村さんに頭を下げ席を立つ。

回りの人にも謝りながら私は逃げるようにしてお店を出た。


ああ、本当にびっくりした。

何だったの。


私は改めてスマホを取り出し、マナーモードへ設定変更する。

普段マナーモードなのになぜ音が出るようになっていたかわからない。

しかもかなりの大音量で。

設定を外した覚えもない。

そもそもそんな着信音にしたことはない。

だけどそのおかげで助かった。


そういえば誰からの着信だったのか、思わず切ってしまったので改めて確認する。


「…波多野さんだ。」


その名前を見て、とたんに胸がぎゅーっと締めつけられる思いがした。

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