表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/96

第5話

「で、では、副委員長は早坂冬登(はやさかふゆと)さん。」



………。


……………。


ん?


「僕っ!?」


思わず立ち上がる。


「よーし、異議がなければそれでいくぞー。」


担任が事実上の確定宣言をする。


(かがり)さん、何で僕を選んだんだろう?まさか、篝さんも?


まさか。考えすぎだろう。


篝さんは財閥のご令嬢だぞ。僕なんかと…。


僕……なんかと。


この世には何で身分なんてものがあるんだろう。僕は彼女と釣り合うことは一生無いと言っても過言じゃないだろう。


でも、諦められない。そんな理由だけじゃ、僕の恋は終わらない。



結局、それからのことは何も覚えていない。



昼休み。


「あの、フユトさん。」


僕の前に篝さんが現れる。


コマンド?

→たたかう

告白する

アイテム

逃げる



って、たたかうってなんだよ。


一人ボケツッコミをする。


「フユトさん?」


はっ!?いかんいかん。


水無月(みなづき)さん、何かな?」


自然に。クールにいけ僕。


「あの、副委員長の件、ご迷惑だったなら謝ろうと思いまして。」


「そんなことないよ!喜んで引き受けるよ!」


「ありがとうございます。それと、」


ん?


「私の事は篝と呼んでくださいと申しましたよ?」


軽く笑顔でウィンクする篝さん。


「そ、それなら遠慮なく。」


「かーがりちゃーん!」


モトキが僕の声をかき消すように現れた。


「モトキさん、ごきげんよう。」


「モトキ、覚えてろよ。」


「なんだ?何か邪魔でもしちまったかフユト?」


バッ!


こいつ!


「別にそんなんじゃねーし。」


「それでは私はこれで失礼しますね。」


「おう!」


軽く手を振るモトキ。


「またね、か、篝さん」


言えた。


すごく恥ずかしい。


篝さんは側近の女生徒とクラスルームを後にした。


「フユト、俺たちも昼飯行こうぜ。」


「学食か?」


「甘いなフユト。屋上だよ。」


「なんで屋上なんだよ?」


「ご令嬢って言ったら屋上だろ?」


初耳だぞ。それ。


「理屈がわからないんだけど?」


「美少女ゲームでも、昼休みの屋上って言ったらフラグだろ?」


「知らねぇよ。」


モトキは仕方ないなと言わんばかりにやれやれというポーズをとる。


「篝さん、来るかもしれないぞ。」


「マジかよ!」


「可能性はある。さぁ、行くか?やめるか?」


「行くに決まってんだろ!行くぞ!」



いざ、篝さんとのコミュニケーションを!



と、その前に購買に行ってパンでも買おう。


「先に購買でパンでも買うけどモトキは?」


「あぁ、俺もそうする。」


篝さんに会えるといいな。


僕の頭の中は篝さんでいっぱいになっていた。


ドンッ!


「キャッ!」


考え事をしすぎていたせいか、女生徒とぶつかってしまった。


「ご、ごめん!大丈夫?」


……ん?女生徒の様子がおかしくないか?


すると、女生徒は急に僕の手を握りしめる。


「好きです!」


は!?


何が起こった!?

©️2017,2018 すたじお・こりす

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ