プロローグ
ーーーー目が覚めたら、俺は銃を額に突きつけられていた。
冷たい地面に仰向けになっている俺に、まさしく真っ白と表現できるような女の子が跨っている。あまりに突然の出来事に、驚きの声すら出すことができない。その女の子の真っ青な瞳と目が合った、その時だった。
突然の、爆発音。
「うわっ!」
銃を突きつけられていることも忘れて、思わず目を瞑り、耳を塞いだ。しかし塞いだはずの手はいつの間にか冷たいーーそう、先ほどの彼女の手によって繋がれ(というよりも引っ張られ)、目の前の彼女が走り出すと同時に俺も縺れながらも足が動く。
あまりの目まぐるしい状況の変化に思考はまとまらず、そういえば彼女と手を繋いだのなんて小学校のフォークダンス以来じゃないか、なんて現実逃避も始めるくらいだ。
「飛びますよ。」
凛とした、綺麗な声。その声によって現実逃避をやめた頃には、そこに道は無かった。
「うわあああああああ!!!!」
真っ暗で、底が見えない闇へと落ちている。そう気がついた俺は、気がつけば叫び声をあげていた。
「静かに。」
なんて、彼女は無表情でいってくる。いや、無理です。
こうして俺の意識は真っ暗な底へと向かう途中で、途切れた。