誰のもの。 後篇。
「ちょっと待ってくださいよ!。どういうことですか。」
俺は思わず身を乗り出した。この人は石の体を取り窓すのは不可能かもしれないと言っているのだ。石はショックで声も出ないという感じだ。とりあえず説明してもらわないと。
「説明してくださいよ。」
「いわれなくても説明するさ。この石は土偶の足だ。」
どぐう?・・・・・ああ、教科書に載っていたやつか。
「足のかけた土偶というというと、あの一番有名な奴ですか・・・・・。」
警察官が静かに質問した。何でこんなに盛り下がってんだ。体の正体がわかったのに。
「おら速く自分の体に戻りたい。」
だよな。はやく戻してやりたいぜ。
「・・・石、大野君、聞いてほしいことがある。」
警察官が深刻な顔で何か言ってきた。何だってんだ。
「じつは・・・・・石の体である土偶は・・・・・国宝なんだ。」
・・・・・嘘だろ。
「何とかできないんですか!。国宝といえどもこいつの体じゃないですか。」
「一介の警察官の僕の口からはあきらめろとしか・・・・・。」
目の前が真っ白になった。
「久岡さん、・・・・・どうしますか?。」
姫川さんが不安な顔をしている。僕たちはとりあえず派出所に帰ってきた。どうするといっても何もしようがない。国の宝を僕たちが持ちだせるはずもない。あきらめるしかないのである。
「・・・石、大野君、あきらめるしかない。これから博士のところで研究を行い、新しい体を作ってもらうしか・・・。」
「そんな・・・。」
「・・・今日はもう帰りなさい。」
今日や明日でどうこうできることではない。今日は帰らせるしかなった。
「・・・どうする、石。」
大野が悲しんでる。そろそろあのことを言わないと。せめて別れくらいは言わないと。
「大野、実はおらの命はもうあとわずかだ。」
「!?、どういうこと、石!。」
大野が泣くながら聞いてきた。
「おらが命を体なしで保てるのはあともって数日だ。」
泣き崩れる大野。おらが悪いことをした気分になる。
「でもおらはいつの間にか死んでさよならも言わずに大野と離れ離れになるなんて嫌だ。」
「俺もだ。石!。」
「だからおらは今意識を消すことにするだ。・・・・・大野、ありがとう。そしてさようなら。」
「・・・・・わかった。俺も石にさよならを言いたい。・・・・・さようなら石。」
「・・・さようなら、大野。大野に会うことができておら、幸せでした。」
その後、二度と石がしゃべることはなった。その後警察にはすべてを話した。そして納得してもらった。すべてが終わったのである。
土偶は人間の作ったものではない。土偶は石たちの体だ。それを証明してみせる。人生をかけて。




