誰のもの。 前篇。
俺の名前は大野五郎。何の変哲もない中学生だ。実は最近とんでもないものを拾ったんだ。何かわかるか?。しゃべる石だ。別に俺の頭がおかしくなったわけじゃない。どうやらこの石は自分の体を取り戻しに宇宙からやってきたらしいのだ。
「おい、五郎、おら速く自分の体に戻りたいよ。」
「はいはい、俺が見つけるの手伝ってやるから心配すんなよ。」
「ありがとう、五郎。」
こいつと出会って一か月たつが、もう友達みたいなものである。でもこのままじゃらちが明かないし、警察にでも聞いてみるか。
「今日も暇ですね。」
「ああ。暇だな。」
今日も派出所は平和である。武田さんは最近労働環境改善運動で忙しいようだが。まあ、別のポストを兼任してとても忙しそうだったから仕方ないが。というわけで今日は、僕と姫川さんの二人だけである。姫川さんも仕事に慣れてきたみたいでよかった。さて暇だし昼寝でもする・・・・・・・・「すいませーん。」 チッ。
「すいません俺は大野というんですが今日は大事なお話が合ってきたんですよ。」
中学生がきた。うちは特殊な部署なのになぜか派出所にあるのでこうやって普通の市民も相談に来るのである。
「なんだね。」
「実はしゃべる石を拾いまして。」
いたずらですねこれは。
「あのね君こんないたずらが僕に通じると「おらはここにいるぞ!」
・・・・・まじか。
大野君に詳しく話を聞くと石は自分の体を探しているみたいだった。特に敵意もないので武田さんに連絡する必要もないだろう。しかし、それにしても手掛かりがない。一応この石自体が体の一部らしいが手掛かりはそれだけである。石の形は丸い半円で中が空洞で何かからかけたようなザラザラした跡が残っている。さてどうしたものか。
「とりあえず、権藤博士に見せてみるか。」
「権藤博士?、誰なんですか?。」
そうか、姫川さんはまだ一度もあったことがなかったな。
「いつもぼくや武田さんがお世話になっている博士だよ。」
「そんな方がいたんですか。専門分野は何ですの?」
「専門分野は・・・・・。」
そういえばあの人なんでも知ってるな。・・・まあ、いいか。
「とりあえず、行きましょうよ。」
「おらも行きたい。」
二人の声に押されていくことにした。
「博士、お久しぶりです。」
「おお、久岡君。久しぶり。」
僕は博士に事情を説明して石を見てもらうことにした。
「おら、痛いのは嫌だ。」
「ほんとにしゃべるのか・・・。少し見るだけだから大丈夫だよ。」
最初はのんきな顔で石を見ていた博士の顔がみるみる曇っていく。長い沈黙の時が流れた。そして博士は悲しそうな口調でこう言ったのである。
「この石の体を取り戻すのは無理かもしれない。」
続く。




