第四話 ただの一般常識
今回は後半がほとんど説明であります。
つ、つまらなくても、ブックマークは外さないで...ね(泣
「くっそが、まぁだ追ってきやがるのかよ。とっとと消えろ!」
雷獣は人語を理解しないのか、いっこうに止まる気配はない。
ガルドは既に持続的に身体に掛けている身体強化と防御魔法、それと先ほど放ったアイスピラーによってほとんど限界に達していた。
(ここが俺の墓場かぁ、もっと長く生きたかったなぁ)
雷獣が稲妻の密度をさらに上昇させる。
それにより、更に限界が早まる。
「ここでしぬぐらいならああぁぁぁぁぁ!
時を壊せ!【アイスブレイク】...」
ガルドは最後の力を振り絞り、時を、わが身をも破壊する禁術を行使しようとした。
だが、それは奇しくも不発に終わった。
それはなぜか
それは、あれほど攻撃が効かなかったサンダーキャットの身体が一瞬で四散したからだ。
「やった、のか...?」
ガルドはその場に崩れ落ちた。
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「おぉ、やっぱり」
僕は納得したようにしきりに頷いた。
「やっぱり、水が生成できて操れたんだから、生物の体内の水分も操れたな。」
雷獣に対して、体内の水分子を運動させ、摩擦により熱を発生させる。
簡単に言えば、電子レンジの考え方だ。
マイクロウェーブに依って水分子の振動が起こり、それによって摩擦が発生。摩擦によって発生する熱に依り、物体が加熱される。
知ってさえいれば小学生でも答えられる仕組みだ。
そして、物体は固層から液層、そして気層になるにつれて体積は大きく、膨張する。
ちょっと例えてみよう
いっぱいまで水を注いだコップに、更に水を注ぐとしよう。
当然ながら水はあふれてしまう。
それと同じように容量が決まった袋の中に空気を、限界を超えても吹き込んでみよう。
当然ながら袋は破ける。
そういうことだ。
「厄介そうな獣も殺したし、逃げてたこの世界の人にでも会いに行くか。」
僕は植物を掻き分け男の下へと進んだ。