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第十五話 実情

 やってきた使用人の後を付いて行くと、ある部屋に辿り着いた。


 それは派手な装飾がなされた扉がよく目立つ、何処からどう見ても成金趣味っぽいと感じざるを得ない部屋だ。


 よくもまぁ、こんな物を作ろうと思いましたね。


 そんな事を思っていると、案内の使用人の方が、


「ここが試験会場になります。

 一人ずつ、中に入ってください。

 中に入った一人が出てきたら、次の方がお入りください。」


 と、中に入るように勧めてきた。


「おうおう! そんなら俺が一番乗りだ!」


 列の先頭を歩く冒険者は、貴族の家だろうとお構いなしな態度で、部屋の中に入っていった。

 使用人の方が、やれやれといった表情で何かを呟いたと思ったら、


「では、次の方」


 まだ、一人目が出て来ていない筈なのに、そう言った。


「先程入った人はまだ出て来ていませんが...」


「良いのです。次の方。」


 説明もなしか...


 次の人が入っていく。

 今度は五分ほど経過した後に、普通に扉から出てきた。


 違いは何だ?


 僕は大気中の窒素に理力を巡らせ、扉の内部を探る。

 ガルドの話によると、肌に触れた理力を感じ取れる人が居るらしい。

 それに警戒するためにも、理力を最小限の範囲で展開する。

 探った結果分かった事、扉の内部には簡単な落とし穴が仕掛けてあった。

 何処に繋がっているかは分からないが、相当深いことが感じ取れる。


 ...成る程、気に入らない野蛮な冒険者は何処とも知らない所にボッシュートって訳ですか、そうですか。


 幾つかが繋がった気がする。

 冒険者は貴族を苦手とするが、貴族は冒険者を忌避する傾向にある。

 だから、見ず知らずな僕を見下してかかるのだろう。


 これは、家庭教師になるのは難しそうだなぁ...

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