第十話 簡単な推測
完全説明会です。
話はほとんど一切進みません。あしからず。
冒険者は本当は警備員だった
ということを確認した僕は、とりあえずこの世界についてもう一度詳しく話してもらうことにした。
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説明は省略。
ここからわかったことは、
まずこの世界には発生原理の分からない『魔物』がいる。
『魔物』はヒトを襲い、己が糧とする。
それらから身を守るために、身体に『不思議な力』が宿った。
それがこの世界に存在する特殊能力で、『理力』と呼ばれるものだった。
それが、能力発現の説の一つであったらしい。
そこからは、特殊能力に多少の耐性と能力の上昇した『魔獣』と呼ばれる『魔物』に良く似た異形が誕生したらしい。
まるで人間の身体の中のようだ。
別の能力が新たに発現した『魔獣』は極僅かで、決まった形のモノしかまだ確認されていないそうだ。
良い例が、あの雷を撒き散らしていた猫。
名称はサンダーキャット。
見つかったら九割方死亡が確定するような化物だったらしい。
で、気候等がまったく似たような世界で、植物や動物の形態、形質がまったく異なっているのは、特殊能力の発現による副作用みたいなものか。
まったく良く出来てるね、自然ってものは。
それにしても、なぜ人間は形質が変化しない?
植物、動物があれだけ地球の物からかけ離れた形をしているというのに、何故人間はそのままの形を保持出来ている?
それに、脳は普段は全体の一割程度しか使えていないというが、特殊能力を操るといった点でどういう影響が現れているのかがまず不思議であり、興味深い。
ま、好きなところじゃないから何も出来ないんだけどね。
で、『魔物』と戦った結果、耐性があるのは理力のみで化学物質には耐性は無かった。
おそらくこれは理力が発生したことが原因で、科学が発展を止めているためだろう。
理力を使うが為に、理力を発展させ、その結果魔物が耐性を得たのであって、科学はそれに当てはまらない。
こういうことだ。
と、言う事はこの世界では理力以外の力がまったく開発、発展、研究されていないことが予想される。
要観察。
以上、説明から得た推測と観察結果でした。




