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ステキな魔法  作者: 小鳥遊葵
第1章――変わり者の青年――
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朝寝坊Ⅱ

今思うとジェニファーが僕のことを庇うのが気に食わなくて僕に意地悪していたのだろう。その証拠にレックスがジェニファーが婚約してからは少なくとも虐められることはなくなり、話を聞いてくれることも多くなった。だからといって好きになることは出来ないが少なくとも苦手意識は無くなった。


でもまあ、それはそうと………。


「……………。なんか疲れたな……」


森を駆け回ったから疲れて眠くなってきた……。夕餉までの時間、一眠りしようかな……。時間になったらだれかしら起こしてくれるだろ……。


ベッドに横になり瞼を閉じるとだんだんと意識が遠のいてゆく。僕はしばしの眠りについた――――。





* * * * *



――――はずだった。


「コケコッコー! 」


鶏の鳴く声が聞こえる。目を開けると窓からは朝陽が差し込んでいる。


朝だ。完璧に朝だ。清々しいまでに朝だ。


「なんでだあああああああああ!!! 」


叫びながらベッドから飛び起きる。


どうしてこうなった?え?誰も起こしてくれなかったの?


それより今何時だ?流石に朝餉は食べないとマズイ。畑仕事は体力勝負なのだ。


支度もそこそこに、どたどたと廊下を駆け、母さんのいる台所へ向かう。


「か、母さん! 」


「なんだい、朝から騒々しいね! やっと起きてきたかい、この馬鹿息子」


母さんは洗い物の手を止め僕の方を一瞬ちらっと見たが、また洗い物に戻った。


「なんで起こしてくれなかったの! 」


「何度も呼んださ。何度呼んでも起きなかったのはお前だろ」


「え! 」


全く気づかなかった。それほど疲れていたということか。


くっそー、夕餉を食べそこねた。あれだけ頑張って拾った茸を食べられないなんて……………!


「………はぁ。母さん、父さん達は? 」


「もうとっくに畑に向かったよ! ほら、お前もさっさと支度して畑に行きなさい。昨日放ったらかした分、きちんと働いておいで! 」


父さん達が畑に向かったってことは――――。


「母さん! 朝餉は!? 」


「そんなもんみんなとっくに食べ終わってるよ! 今何時だと思ってるんだい」


ぬわあああああああああああああ。


「嘘……だ…ろ…」


夕餉に続けて朝餉も食べれないのか……………。


「自業自得だね」と母さん。



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