ナルガディア記Ⅰ
――――今から七百年ほど昔のこと。
この世界は、それはそれは素敵な世界でした。
大地は魔力に溢れ、それの魔力を使って人々は豊かな暮らしを送っていました。
明かりを灯したり、機械を動かしたり、食べ物を腐らせないようにしたりと、魔力は人々の生活には欠かせないものでありました。
魔力があるおかげで人々は幸せでした。
しかし、その幸せは永くは続きませんでした。
遥か昔、この世界を支配していた魔王の封印が解けてしまったのです!
魔王は長い眠りから覚めると、瞬く間にこの世界の魔力を奪い始めました。
奪った魔力によって、魔王はとてつもなく大きな力を手に入れました。
そして、この世界はかつてのように魔王に支配されてしまったのです。
抵抗する人はみんな殺されてしまいました。
こうして人々は生活の糧である魔力の多くを失いました。
魔力が無ければ豊かな生活を送ることはできません。
困った人々は魔王から魔力を取り返すために勇敢な七人の戦士を選びだし、彼らに残った魔力を託すことにしました。
一人目の戦士には "火"の魔力を。
二人目の戦士には "水"の魔力を。
三人目の戦士には "風"の魔力を。
四人目の戦士には "大地"の魔力を。
五人目の戦士には "光"の魔力を。
六人目の戦士には "闇"の魔力を。
七人目の戦士には "命"の魔力を。