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第十八話 チート無し


宿に戻り部屋へ向かう。


「ただいま~」

なるべく怖がらせないようにフレンドリーに言いながら入る。



ビクッ!


「「お‥……お帰りなさい」」



サクヤとリオは部屋の隅の方に座っていた。

部屋を見回すとテーブルの上に幾つか料理が乗っていた。ルームサービスかな?


「この料理は何?」

質問してみる。


「えっ…えとえと‥その料理は少し前に宿の人が持ってきました。」

リオが答えてくれた。

サクヤは顔を見られたくないのかうつむいている。


「食べなかったのか?」


「たっ‥……食べてません!」

俺が質問すると震えながら答えた。

‥……もしかして食べてたら俺が何かするとでも思ってるのか?



サクヤの方を見る。うつむいてはいるが顔を見ることができた。

奴隷商店のときは余り見てなかったがこうして見ると顔の状態に思わず顔をしかめてしまう。


俺は流石に可哀想だな。



「サクヤこっちに来い。」

自分の近くを指しながら言った。


サクヤが大きく震えた。リオが慌てているが今は気にしない。


少しずつだが俺が指した場所にやって来た。サクヤが座ったのを確認してサクヤの被っているフードをとった。


サクヤは顔を手で隠そうとするがその手を掴み顔を隠せないようにする。


「咲夜!」

リオが動こうとするが動かないように命令した。



サクヤは顔を隠そうと暴れるがステータスの差によりピクリとも動かない。

怖いのだろうかサクヤは泣きそうになっていた。

可哀想だが仕方がない。


傷口を確認する。


この程度の傷なら治せる。


サクヤはまだ抵抗しようとしている。

余り抵抗されるのもめんどくさいので、抵抗しないように命令した。



命域展開


「『命翼の波動』」


俺の背中に光でできた翼が現れ羽ばたいた。

それによりサクヤに光が集まり傷を治していく。



僅かな時間でサクヤの傷が治った。

それを見てリオが驚いている。


サクヤまだ治ったことに気づいていないようだ。


「サ、サクヤの顔が治った!」

リオが叫んだ。


本人は自分の顔を触っているが何がなんだかよくわかっていないようだ。


サクヤにアイテムボックスから鏡を取りだして渡した。


サクヤは鏡を見て固まってしまった。

次はリオの腕を治す。


リオに腕を出すように言うとすんなりと出してくれた。

リオの腕を治した。












「取り敢えず自己紹介でもするか?」


傷が治って喜んでいる二人に声をかける。


「多分二人とも俺と同郷だと思うけど」

そう言うと二人は少々困った風に


「違うと思いますよ?私達は日本の東京と言うところ出身で聞いたこともないと思いますよ。」


……知ってるよ。聞いたことあるし住んでたし。


「ちなみにそこでは何をしていたの?」

一応聞いておく。


「僕達はそこで霧雨学園と言うところで勉強を学んでいました。」


……しかも俺と同じ高校。となると一年生か。



考え込んでいると


「どうかしましたか?」

サクヤが声をかけてくる。


「いや、やっぱり同郷だったと思って」


「「え?」」

二人が首を傾げる。


二人に分かりやすいようにするか

銀髪と碧眼を黒く変化させる。


二人の目が驚きで大きく開いた。


「改めまして、東京出身、霧雨学園二年天野詩乃これからよろしく。」


二人が物凄い驚いている。


「「え?う、嘘……」」











それから暫くして

落ち着いた二人から今までのことを聞いた。ちなみに髪と目は戻しておいた。

二人とも一緒にこの世界に来たらしい。二人は気がついたら森の中にいて魔物に襲われてなんとか生き延びたところを奴隷商に捕まったと。……可哀想すぎる。



二人のステータスも確認しておいた。


Lvは二人とも一でステータスも低かった。スキルは二人とも異世界言語があったし咲夜は料理と裁縫、理緒は料理と剣術があった。剣道をしてたらしい。

残念ながらチートはなかった。

この世界に来た影響で何かしらの力を貰えるんじゃないのか?

その辺調べた方がいいかな?でもどうしようかな?

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