第十七話 同郷
時間がないので一週間に一回を目安に頑張ります。
「買った。」
俺は今奴隷を買おうとしている。
‥……おい、人をゴミを見る目で見るな。別にこの世界ではおかしいことではない。わざわざ日本の常識を持ってくなくてよろしい。
話を戻そう。
現在、奴隷商店にいておっさんと会話している。
この店には人間、獣人、エルフ等がいた。その中に日本人らしき人がいたから買おうとしているところ。
もう一度二人の方を見た。美少女と言うことはいいんだが、二人とも大怪我をしていて薄汚れた格好をしている。薄汚れた格好っといっても日本の姿ではなくこの世界の服を着ている。
「二人で金貨五十枚何だろう?買わせてもらう。」
「ありがとうございます。ですが契約料として銀貨一枚追加させてもらいます。」
と言って来た。
良かった。二人で金貨五十枚だと手持ちの金貨が無くなるから更に金貨一枚と言われたら流石に困る。
「では、契約を致しますので此方にお越しください。」
おっさんについていく。
「改めて奴隷について説明をさせて頂きます。奴隷は首輪に掛けられた魔法の効果により主の命令に逆らえなく成ります。
奴隷は主の所有物扱いとなるので人権等は適応されません。主が奴隷に暴行を加えるのは問題に成りませんが、主意外が主の許可無く行うと犯罪に成るのでご注意下さい。」
「では契約に移りましょう。おい!速く二人を連れてこい!」
おっさんが店員に言った。
二人が連れてこられた。
「ほらご主人様に挨拶をしないか!」
おっさんが怒鳴る。
「‥……リオ・カンザキです。よろしくお願いします。」
リオが諦めたような目をしながら言ってきた。
「何をしている!潰れた方も早く挨拶をせんか!」
また怒鳴る。ってかこいつ潰れた潰れたって酷くないか?
「ヒッ‥……グスッ‥……サクヤ・スズカゼです。」
目に涙を溜めて震えながら言ってきた。
だがサクヤの反応が気に入らないのかおっさんが睨み付けている。
「契約方法は首輪に主の血を垂らすだけです。宜しければこれをお使いください。」
そう言ってナイフを差し出してくる。
ナイフを受け取り自分の指先を軽く切った。指先から血が流れる。その血を二人の首輪に垂らした。
首輪が少し光った。
「有り難うございます。これで契約終了です。これからも奴隷が必用なら、ぜひ内の店をご利用ください。」
二人を連れて外に出ようとする。
「あの‥……お願いです何でもするので咲夜に何か顔を隠せるものを貸して下さい。」
リオが頭を下げてきた。
「理緒っ!」
咲夜が理緒の言葉に反応した。
流石にあの顔のまま外を歩かせるのはな‥……
俺はアイテムボックスからローブを取り出して咲夜に渡した。
「あっ、有り難う‥……ございます。」
咲夜が恐る恐る受け取りローブを着てフードを顔が隠れるように深くかぶった。
「行くぞ。」
そう二人に呼び掛けて歩き出す。
咲夜の手を理緒が引きながら付いてくる。
暫くして宿についた。
「悪いがあの二人も一緒に止まることになるから、あの二人も寝れるように部屋を変えたいんだけど。」
そう言うと部屋を変えてくれた。
部屋は元々の部屋より少し広く大きいベッドが一つだけだった。
‥……部屋を変える意味がないしベッドが一つだけとか寧ろ悪いわ!お陰で二人が震えてるじゃないか!
俺はため息をついた。
二人が俺のため息に反応してビクリと震えた。
「用があるから少し出てくる。大人しく待ってて。」
やることがあるのでそう言い宿から出ていく。
宿から出て向かうところはギルドである。
二人を買うためにすっからかんになったらね。
アイテムボックスにはまだまだ素材入ってるし。
換金終りました。
流れで言うと、到着→受付→魔物ドサドサ→受付唖然→何か言われる前に金もらい逃走。
こんな感じ
で金貨二十枚にいやぁ儲かるねぇ
取り敢えずは二人の衣服を買わなければ、てことでその辺の服屋で幾つか見繕ってもらいました。
自分で選んだんじゃないからね?下着の類いも必要だったから女性店員にお任せで。
ーーー咲夜視点
「大丈夫咲夜?顔痛くない?」
理緒が心配そうに話し掛けてきた。
「‥……大丈夫だよ理緒痛くなんてないから」
‥……本音を言うと全然大丈夫じゃない、今自分がどんな顔になってるかは分かってる。痛くはないけど泣きたくなる。こんなに醜い顔になってしまって。
「ねえ理緒、私達これからどうなるのかな?」
「分からないよ咲夜。僕達はこの首輪のせいで逃げれないんだから、何を言われてもしなくちゃならない。」
理緒が諦めたような返事を返してきた。
これからされることを考えると体が震える、あの商人は言ってた処女は高く売れると。
「お前らも良いご主人様に買って貰えるといいな、人によっては腕を切り落とされたり殴られたり、壊れるまで犯されたりするんだから。」ニヤニヤしながらそう言われたの覚えている。
私も理緒もまだ未体験で初めては好きな人にと思っていたのに。
いつの間にか涙溢れていた。
「‥……だ‥……やだよ‥…恐いよ‥……‥」
「咲夜‥……」
ふと見ると理緒も泣いていた。
「僕も怖いよ、どうしてこうなったのかな‥……帰りたい‥……家に帰りたいよ!」
それから二人して泣きじゃくった。