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vol.7

この回の中に出てくる「作品」は「架空」のものです。

現存する「作品」に似てようが「架空ったら架空」なんです!!

なので、つっこまないでくださいね?(どきどき)


少し男だけで内緒話したあと

遠江さんが私に向かって軽く手招きする。

なんだ?そう思って体を向きなおすと1台のMP3プレーヤーを手渡される。



「なんですか、これ」


「いいから聞いてみて?」



そう言われ、耳にヘッドフォンをすぽっとかぶせられた。

流れてきた曲から聞こえた声は…遠江さん!?



「え、これ…遠江さんですか?歌ってるの」



半信半疑で聞いてみると笑顔で「うん!」と答えられた。

え?でもTVで聞いたこと無いし…

その割には歌い慣れてる?



「遠江さんって歌手?

 でも失礼ですけどTVで聞いたこと無いし…

 健康ランドで歌う人にしては曲アップテンポですよねぇ…

 あ、今流行りのネコ動で歌あげてる人!?」



がっくりと二人の肩が落ちた気がする。

なんか間違えたかな?



「い、一応TVには出てんだけどね」と、遠江さんが苦笑する。



「声優…って聞いたことない?」



その言葉にはっとする。



「声優さんってアニメとか洋画の吹き替えやる気ひとですよね?」



私の言葉に二人がうんうんと頷く。



「じゃあ栄螺さんとかとらえもんとか出てるんですか!」



すごい!小さい頃に見てたアニメに出てる人なんだ



「い、いやその番組には俺も槇も出てない…かな」


「え、じゃあじぷり?それともディスニーとか!」


「じぷりは声優使わないんだよ…あんまり…

 ディスニーもまだでたことナイデス…」



あ、あれ!?

私が何か聞くたびにどんよりしていってるのは気のせい…じゃない…?

うわー、どうしよう…


少し焦ってると遠江さんの後ろのテーブルから

笑い声を必死で押し殺したような声がする。

ひょいと覗き込んでみると…



「あ、駿河さん!?」



店の常連客の一人でもある彼女が口元を押さえ

お腹を二つ折にして体を震わせていた。






*






「駿河さん」と私が発した言葉に遠江さんが反応する。

慌てたように振り返るとマズいものを見られたと言わんばかりの表情。

あれ?お知り合い?と考えていると

笑いが収まったのか、駿河さんが謝ってきた。


「こんにちは、水口さん。

 お話邪魔しちゃってごめんなさい。

 聞こえちゃったお話が面白くて我慢しきれなかったの」



そう言うと彼女は目元に溜まった涙を指で軽く拭った。



「真澄ちゃん、真琴ちゃんと知り合いなの?」



遠江さんの言葉にお店の常連さんですと説明する

って、真琴ちゃんって駿河さんの名前?って事は

遠江さんの方がよっぽど知り合いなんじゃ…


そう思ってると遠江さんは駿河さんのテーブルに乗ってた

ドリンクやらをこっちのテーブルに移動させてきた。

これには駿河さんも驚いたようで遠江さんを問い詰めたけれど

「知り合いなら大勢の方が楽しいじゃない?」に撃退されていた。


しぶしぶではあるものの席を移らされた彼女が私の横に腰掛ける。

「今日はお休みなんですか?」と尋ねたら

休日で、ブランチを兼ねて趣味でもあるカフェ巡りをしてたと返事が返ってきた。

その言葉に時計を見ると確かにお昼時。

どうりで小腹がすいてきたはずだ。



「もういっそ昼食ここでとりませんか?」



声をかけると男性陣二人は顔を見合わせ、時計に目をやる。

そうして駿河さんを見習って私達もここで昼食を取ることになった。











駿河さんが頼んでいたのは

ベーグルと季節の野菜のスープセット、デザート付き

遠江さんはベーグルとミニパスタのセット

槇原さんはパスタとプチパンのセット

私はサンドイッチとデザートのセットを注文した。


駿河さんはベーグルがお好きなようで

うちでもしょっちゅう注文されている。

遠江さんは前はパスタが多かったらいいけど

ベーグルのモチモチ感にはまって

今はどこでもほとんどベーグルを注文してるとの事だった。


それを聞いた駿河さんが何故かぴくんと反応したのは

何故だろう?気のせいじゃなはず…。



こうしていつの間にか

ダブルデートみたいな形で昼食会が始まっていた。

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