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vol.20

カタンカタン


バイクが道を走るたび、道路の継ぎ目が振動となって身体に響く。

ふと路肩に目をやれば、距離を教えてくれるプレート。

その数字が小さくなっていくごとに身体はいつもの街へと運ばれていく。


今朝自覚したこの想いは心を暖かくしてくれるけれど

それと同時に不安にもしてくれる。


私は仁さんを好き。

でも仁さんは?


ただ年下の妹分としての優しさなのか

女の子と見てくれているのか

まさか自分がこんな事で悩む日が来るだなんて思ってもみなかった。


恋って本当に不思議でやっかい。











時刻は10時近く。

最後の休憩ポイントで思い切ってメールを送ってみることにする。

かに・・・買っちゃったし。

だめなら真琴さんに連絡しなきゃだし。

自分に言い訳をつけて、送りなれたアドレスに

今日の予定を聞くメールを送った。


ほぅとため息をつくと振動する携帯。

え?嘘、仁さんからだ。



「・・・もしもし?」


『もしもし真澄ちゃん?今まだ平気?』


「あ、はい平気です」



久しぶりに聞く仁さんの声にドキドキする。

何故私はいままでこの声をスルーできてたんだろう。



『メールみたよ、で打つより早いから電話しちゃった

 今日は夕方までだから時間空いてるけど?』


「あ、あのカニを買ったんです。

 いつもお世話になってるのでよかったら召し上がらないかな・・・って」


『ええ!?張り込んだねぇ、良いの?』


「もちろんです、いつも私が奢ってもらってばっかりだし・・・」


『気にしなくていいのに』


「・・・・・」


『そうだ、真澄ちゃん予定なんかある?』


「? いえ?特にはなにも」


『じゃあさ、いっしょに食べようよ。お土産話も聞きたいし』


「え?」


『迷惑?』


「い、いえそんなことありません」


『今○●でしょ?そこからだとこっちにつくのお昼過ぎくらいか。

少し家で休んでから待ち合わせしよっか?

スーパーで買い物もしたいし』



えええ!?買い物デートですか!?

顔が赤くなっていくのがわかる



『真澄ちゃん?』


「あ、はい大丈夫です」


『帰りは送っていくからタクシーでおいで、そのお金もだすから』


「え、でも」


『運転でつかれてるでしょ?無理言って今日来てもらうんだから

それに帰り危ないし、俺送るから』


「でもそれじゃ仁さんお酒飲めないですよ?」


『俺飲めるけどあんまり家じゃ飲まないから』


「そうなんですか・・・」


『だから気にしないでせっかくのお土産痛まないうちに食べちゃわないと

真澄ちゃんの心遣いが台無しになっちゃうし』



急展開にちょっとドキドキ。

会って渡して、それでおしまいのつもりが

会って買い物に行って、一緒にお鍋?

なんか急展開すぎて頭が上手く回らない。



『おし、楽しみできたからこの後の仕事ちゃっちゃと片づけるよ

終わったら電話入れるから、それまでは家でのんびりしてて?

あ、なんだったら家に来て休んでても良いけど?』



何言うのこの人は!

確かにカギ持ってるけど!

そう簡単に入れないって!!



「あ、いえ一端家に帰ります。荷物もありますから」


『そっか、そうだね じゃあまた後でね?

家までもうすこし、気をつけるんだよ?』


「・・・はい」



じゃあと言って電話をきる。


えーっと、帰ってすぐお風呂に入って

着ていくもの準備してから仮眠とって、やだすることいっぱい!


急にあわただしくなった帰宅後の予定に

それでも頬がゆるんでしまうのを私は隠せなくて

みんなにさんざん怪しまれたのだった。

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