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vol.13

真琴さんからメールが来たのは仁さんと食事をした次の日のお昼。

ちょうどメールをもらった日、バイトが中番だったので

仕事が終わった真琴さんとご飯に行くことになった。

今日は仕事で両親が家におらず、晩御飯をどうしようか

考えているところだったので渡りに船だったのだ

それに昨日の事も報告したかったし…











「「お疲れ様で~す」」



真琴さんの手にはカルピスサワー

私の手にはカシスオレンジ

私達はそれぞれの仕事場近くに最近できた

居酒屋くまくま亭でグラスをあわせていた。


ここ、くまくま亭はお料理が美味しいことで

最近有名になって来てる居酒屋で

結構早い時間に満席になることも多い。

今日も私と真琴さんで満席になっていた。

「待たずにすんだのはラッキーだったね」と

話していたけど、案内されたのは二人掛けの小さなテーブル。


キャッシャーのすぐ側なので、ちょっと落ち着かない場所だった。



運ばれて来たチーズ春巻や唐揚げをつつく。


最初はお互いの事なんか話していたけど

ふいに真琴さんが小声になり

「お食事会はどうだったの?」と聞いてきた。

あえて固有名称を出さないのは

一応彼が有名人であるからだろう。

私も彼の名前は出さずに

連れていってもらったお店のこと

美味しかったお料理のこと、

後家まで送ってもらったことなど普通に話した。



「そっか、楽しかった?」



聞かれた事に楽しかったのは事実なので素直に頷く。

そうすると真琴さんは「ならよかった」とにっこり笑ってくれた。

ああ、心配してくれてたんだなぁと思う。

お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかなと

ちょっとくすぐったかった。











その後も世間話なんかしてると

背後の障子が開き、「すいませ~ん」の声。

あ、いい声なんて思ってると真琴さんがすっごい勢いで振り向いた。



「あれ?駿河さん!?」


「やっぱり立野さん!どうなさったんですか」



ほほう。真琴さんのお知り合いか。

そう思ってたら障子の影から遠江さんも顔をだした。



「あれ!?真澄ちゃんもいる」



遠江さんの言葉に立野さんとやらが少し眉をよせる。

「真澄ちゃんは立野さんが好きな

 レナーズのバイトの子で真琴ちゃんの友達ですよ」

と遠江さんが説明すると

警戒心が溶けたのか、にこっと笑顔になった。



「ねぇ君達まだ時間ある?あるならこっち合流しない?

 いい加減野郎の顔見て酒飲むのに嫌気がさしてたんだ」


「え、ご一緒させていただいていいんですか?」



真琴さんの言葉に立野さんが是非と誘ってくれる。

遠江さんへの態度と全然違うなぁとこみあげてくる

笑いを押さえ、私達は合流させてもらうことになった。











「真琴ちゃんは俺の前ね。遠江どっかいけ。

 久音、オーダー聞いたげて。」


「お隣り失礼しますね」



立野さんに指示された場所に座るとき

真琴さんが隣の久音さん?に笑顔で声をかける

そんな真琴さんを見て、遠江さんはなにがブツブツ

いいながらも席を真琴さんに譲り、一つ隣へズレた。

私はどうしようか…そう悩んでいたら



「真澄ちゃん、こっちおいで」


「…仁さん」



もう一人知ってる人がいたことにほっとする。

誘われるままに私は仁さんの隣に腰を降ろした。




ん?なにか視線が集まってますが…?



「真澄ちゃん、槇の事名前…?」



あれ?なんかダメだった?

思わず隣の仁さんを仰ぎ見ると仁さんは

なんでもないというふうににっこり笑ってくれた。



本人がいいならいっか。



すこぉ~し空気が変わった部屋で

改めて乾杯の音頭が誰からともなしにあがった

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