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vol.11

「真澄~、今日バイトあり~?」



授業が終わって荷物をまとめてると背後から声がかかる。

振り返ると友人の一人でもある由岐が手をふっていた。



「ないよ~」


「じゃあさ、今晩つきあってくれない?

 合コンのメンツ、急に足りなくなっちゃってさ」



片目をつむり、目の前でお願いと手を挙げる。



「あ~ごめん、今晩は先約あり」


「え!?何々、もしかして…」


「違うよぉ。友達とご飯の約束してんの」



うん、仁さんは友達だから間違いないよね。


「そっかぁ先約ありなら仕方ないね。また今度付き合ってよ?」


「うん。ごめんね」



バイバイと手を振って由岐と別れバイク置場へ向かう。

約束までまだ時間があるので一旦家に帰ることにした。











夕べ、仁さんから来たメールには時間と場所の再確認。

どこに連れてってもらえるのかは内緒らしい。

格好について何の指定もなかったけど

流石にデニムで行くのもなんだし、真琴さんに相談したら

「スカートの方がいいんじゃない?」って言われたんで

一応スカートにはきかえるつもり。


あれ?これってデート…?じゃないよね?

一応、仁さんは男性で、男性とご飯って…

あれ?あれれれ?

いやいやいや、別にそんな意味で誘われたんじゃないし

私勝手に変な事考えちゃダメでしょ。

うん、ダメダメ。


私はバイクに跨がると自宅へ向け

アクセルを回した。











「△■駅の東口だったよね…」



腕時計で時間を確認しながら辺りを見回す。

約束の時間までにはまだ少しある。

券売機からちょっとだけ離れた場所の壁にもたれ

人の流れを見る。


後少しで約束の時間だなぁと思っていると

目の前に人が立ち、影が落ちた。



「彼女、一人?」



仁さんかと思って顔をあげたら違う人。

キョロキョロと両隣を見てもいるのは男性。

ってことは、この人の言ってる「彼女」ってのは私のことなんだろう。



「一人ですけど人を待ってます。」


「待ち合わせの相手って女の子?ならその子も一緒に食事でもどう?」



私に声をかけてきた人の後ろにもう一人の男の人。

あ~ これナンパなんだ…

どうやって断ろうかと悩んでいると



「真澄!」



仁さんの声が聞こえた。











仁さんが私の側にやってくると

男の人達は「なんだ男待ちかよ」と、どっかへ行ってしまった。


「遅れてごめん」


「いえ、時間大丈夫ですよ。私が少し早く着きすぎただけです」


「もう少し早く来れてたら、あんなのにも声かけられないですんだのに」


「何もなかったから大丈夫です」


「それならいいけど…じゃあ行こうか」


「はい…」



先導するかのように人混みをかきわける

仁さんの後に遅れないよう

私は少しだけ小走りについていった

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