『子守地蔵とプレスマンの筒』
掲載日:2026/10/07
ある働き者のお百姓の夫婦には、まだ生まれて間もない赤ん坊がいました。野良仕事に出るときは、赤ん坊のおばあちゃんに預けて出かけるのですが、たまたまおばあちゃんが風邪を引いてしまい、仕方なく、おぶって野良をすることにしました。しかし、くわを振り上げても、水をくんでも赤ん坊が揺れるので、危なっかしく、仕事がはかどりませんでした。何かいい方法はないものかと、あたりを見回しますと、いらっしゃるじゃありませんか、お地蔵様。
お百姓の夫婦は、お地蔵様を力いっぱい拝んで、赤ん坊を背中におぶってもらうと、野良仕事を続けました。もう、仕事がはかどってはかどって、楽しくなるほどで、日が暮れるまで働きました。家に帰って、おばあちゃんに、赤ん坊はどうしたと尋ねて、ようやく気がつきました。やらかしました。赤ん坊、置いてきぼりです。
お百姓の夫婦は、あわを食って、お地蔵様のところへ戻りました。すると、いました、赤ん坊。もとのまま、お地蔵様の背中に負ぶさっていました。お百姓の夫婦は、お地蔵様にはプレスマンの筒を奉納するものだという話をどこかから聞いてきて、同じようにしたということです。
教訓:お地蔵様といえばこれこれ、などというのは、こんな感じで広まっていく。多分。




