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引きこもり魔女は恋を知らない  作者: 吉本アルファ
『引きこもり魔女の恋愛ゲーム』
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第5話 はじまりの模擬試合

ロイドと恋人になったシャルロッテは、自宅で一人、幸せに浸っていた。ゲームとして始めたはずの恋は、いつの間にか、彼女の心を温める本物の感情になっていた。








「もうすぐ定期テストの模擬試合が始まるわ。ここで結果を出せば、宮廷魔法使いへの道も近づくわね……。そして、ロイド様との未来も……!」








彼女の小指に結ばれた赤い魔法の糸が、彼女の幸福を伝えるように優しく光る。








そして迎えた定期テスト。 魔法の実力を競う模擬試合は、多くの生徒が観戦する中、盛大に幕を開けた。天才魔女として、そして美貌の少女として注目を浴びる分身のシャルロッテは、ひときわ大きな声援を受けていた。








「初戦は、バロン・フレッガー対シャルロッテ・バイセルハーズ!」








アナウンスと共に、熱血漢のバロンがリングに上がる。彼は、分身のシャルロッテに満面の笑みを向けた。








「天才魔女のシャルロッテか! 容赦はしないぜ!」








バロンは魔法こそ苦手だったが、持ち前の気合と、鍛え抜かれた肉体で真っ向からぶつかってくる。彼の力強いパンチが、風を切り裂いて分身に迫った。








(わあ、すごいパワー……!でも、私には効かないわ!)








自宅のシャルロッテは、余裕の笑みを浮かべた。なぜなら、分身は痛みも恐怖も感じない人形だからだ。分身は、バロンのパンチを軽々と避け、天才的な魔法の知識を駆使して、バロンを翻弄する。








「おっと、そいつは卑怯だぜ! ちゃんと正面から勝負しろよ!」








バロンの言葉も虚しく、シャルロッテは人形であることを利用して、一切の躊躇なく、強力な魔法を放つ。それは、人間ならば避けきれない、正確無比な一撃だった。








「ぐわあぁ!」








バロンは、シャルロッテの魔法を受けて、リングの外に倒れ込んだ。試合終了の鐘が鳴り響き、シャルロッテの圧勝に、会場は大きな歓声に包まれた。








「やったわ! これで一勝!」








自宅のシャルロッテは、ガッツポーズをした。しかし、その勝利は、彼女の強さを証明する一方で、彼女の「人形」としての冷酷さをも際立たせていた。



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