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第24話 封印都市の守護者

アーク・ミレニア。

封じられた都市は、時間が止まったかのように静かだった。


だが、空気には“何か”がいる気配が漂っていた。


「この感じ……“思念体”か、もしくは……記録された意志?」


リュカが周囲を警戒しながら言う。


レオンの書庫が反応を示す。


《記録確認:契約記憶体・階層守護者》

《属性:混合型/人間および異種の思念融合体》

《任務:侵入者の適性評価と排除》


「つまり、“守り人”ってわけか」


レオンが呟いた瞬間、空間が軋んだ。


廃墟の中央に、白いローブを纏った人物が現れる。

だが顔は朧げで、眼だけが光を灯していた。


『継承者、識別完了』

『記録照合中──“レオン=ノア”』

『第七階梯、適性確認──試験開始』


地面に巨大な陣が描かれ、魔力がうねり出す。


「敵意アリってことで……いいんだよな」


レオンが双極刃を展開すると、リュミエルがすぐ横に並ぶ。


「私も行く。……あなたが誰と向き合っても、私は絶対、隣にいる」


レオンはふと横目で見た。


彼女のその“想い”が、強すぎて息苦しく感じたことに気づく。


──けれど、それを否定することもできなかった。



「来るよ……!」


守護者の魔力が炸裂した。

フィールドが複層構造に変化し、重力と時間の歪みが襲いかかる。


《バトル構成:階層型/試練区画展開》


「レオンくん、私が時間を止める! その間に!」


「わかった!」


リュミエルが《魔時結晶》を起動し、一瞬、時の流れを鈍化させる。

その瞬間、レオンが閃光のごとく突撃する。


「──破ッ!!」


一閃。守護者の表層を削ぐ。


が、その下にはさらなる魔導機構が存在した。


『防衛層解除──第二階層、展開』


都市全体が“魔導生体”のように変貌していく。


「っ……これ、まるで都市そのものが敵だ……!」


リュカがすぐ後ろに転移し、補助陣を展開する。


「座標固定成功! 今なら攻撃が通る!」


「リュカ、よくやった!」


その言葉に、リュカの頬が僅かに紅くなる。


が──


「ねえ、レオンくん。どうして、そうやってすぐ褒めるの?」


リュミエルが、笑顔のまま小さく囁く。


「私がいるのに。そっちばかり見てたら……“傷つく”よ?」


レオンの背中に、ぞくりと冷気が走った。


(リュミエル……今のは……!)


彼女は微笑んだまま、再び戦闘陣へ向かって走る。



第二階層の構造核に到達したレオンたち。


守護者が最後の攻撃を放つ。


「──最大魔力出力、受けきれない……!」


リュカが叫ぶ。


そのとき、リュミエルが前に出る。


「……なら、私が“壊す”!」


魔力を極限まで圧縮し、彼女は自らの周囲を灼熱の魔導結界で包んだ。


「レオンくん。あなたに触れるものは、全部、焼いてあげる」


──ヤンデレ。それは、愛の形をした狂気。


「識術──“終焉領域・断滅”」


全方位に展開された魔力が、守護者の核心を焼き払った。


爆音と共に、試練が終了する。


《戦闘終了》

《継承者記録:アーク・ミレニア通過認証》

《階梯上昇可能判定:保留中/次試練に移行》



廃墟の奥で、一つの扉が開いた。


その先に立っていたのは――

白い髪に獣耳を持ち、深紅の瞳を持つ“異種の少女”だった。


「……おまえたちが、“来た”のか」


次なる出会いと、次なる戦いが、静かに始まろうとしていた。

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