表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/24

第21話 魔導空間の歪み

「──これが、“異種族”の魔導構造……」


レオンは展開した《双極陣》を両手に構えながら、目の前の敵を見据えていた。


識翼種“カヲリ”。

人間の知識体系を完全に超越した存在。


空間を解析不能な構造で“たわめ”、

その中心から放たれる“演算武器”が世界を削っている。


「このままじゃ、手も足も出ない……!」


リュカが焦り気味に叫んだ。


彼女の防御式すら一撃で貫通しかけたのだ。


「レオンくん、分析進んでる!?」


「あと少し……重力波形を反転できれば、空間干渉のタイミングが読める……!」


レオンの脳内に、“万象の書庫”が自動構成式を投影する。


《構造干渉補正:反重力領域を5秒間展開可能》

《双極陣:“重奏応用型”へ変換提案》


「よし、乗った!」


レオンは陣を切り替え、新たな術式を発動する。


《識刃改式──双極・振動領域“重奏斬”》


手にした双刃が、重力の波動を読み取る“反応型兵装”へと変化する。


「リュミエル、援護頼む!」


「任せて!」


リュミエルは地を走り、カヲリの背後へ回り込む。


彼女の右腕には、《観測補助結晶》が輝いていた。


「──対象座標、3秒固定!」


その瞬間、レオンが斬りかかる。


「──はあああッ!!」


双極の刃がカヲリの転移先を正確に貫く。


しかし――


「!? 避けられた……!」


カヲリは、まるで“時間のズレ”を利用するように、斬撃をすり抜けた。


《反応遅延構造:観測差3.5秒/行動予測補正失敗》


「……あいつ、未来を見てるのか……!?」


カヲリの演算装置が回転し、次の攻撃を放とうとする。


「レオンくん、避けきれないよ!」


「だったら……攻撃の“タイミング”を、無理やり合わせる!!」


レオンは、自らに《反応加速式》を上乗せする。


《魔力負荷警告:神経系への過剰干渉の恐れあり》

《実行しますか?》


「──やる!」


脳が焼けるような感覚に襲われながらも、レオンは走った。


同時に、リュカが詠唱を終える。


「解析結果反映、術式再構成完了……! やるよ、レオンさん!」


《共鳴陣式──“静律結晶:光縛” 展開》


眩い光が空間を固定し、カヲリの動きが一瞬止まる。


「いまだ──ッ!!」


レオンが、二重の陣から放つ必殺の一閃。


「識刃・重奏双断──ッ!!」


刃が、空間を超えて、カヲリの装置へと届いた。


斬撃が炸裂する。


しかし、その直後。


「……なに……?」


カヲリの身体が、砕けながら、笑ったように見えた。


『オマエハ……境界ヲ知ッタ』

『ダカラ、マタ……クル』


言葉と共に、霧のようにその姿が消えていった。


《対象反応:消滅確認──座標不明》


静寂が戻った。


息を切らし、膝をつくレオンに、リュミエルが駆け寄る。


「無事!?」


「ああ……でも……“あれ”は終わりじゃない。始まりだ」



戦いの記録は王都に即座に送られた。


《戦闘評価更新──継承者:第6階梯へ進化》

《新スキル選択可能:反応術式系・干渉魔術系・空間識域拡張》


「これで……また一段、登れたな」


そう呟くレオンの横で、リュカが微笑む。


「共闘、悪くなかったですね」


リュミエルも、ほんの少しだけ笑って頷いた。


「うん。……ちゃんと、隣で戦えるって思えた」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ