障害
ミーンミンミンミン‥‥
外から人の気も知らず油蝉が俺の耳を刺激する。
床に滴る、大粒の汗が額からこぼれ落ち意識が遠のく感覚が今だに忘れられない。
「…っさん ‥田さん 島田さーん? 聞こえておりますか?御社を志望した動機を教えてください。」
「っは!」と我に返った私、島田 陽平(25)はもちろん、物語の主人公であり、転職活動の真っ最中であった。
「っえ?あーあの御社の活動内容などに興味があり、応募しました。」
面接Aは、気難しそうな顔をしながら呟く。
「活動内容ですかぁ。例えば何処が魅力的だと感じたのです?」
など当たり障りない内容を深掘りされ始めてから島田の記憶が遠のいていく。
残った記憶は油蝉の鳴き声と禿げた役員のおっさんの顔だけだ。
深掘りされても良い練習を沢山したはずなのに…。
これで面接15社落ち確定。
何かが、ダメで何かが足りない。
そんな焦る気持ちとは裏腹に時間と気力ががすり減っていく。
自己研究をし俺自身がコミ障なのが原因なのは、分かっているが攻略方法が見つからず絶望感が否めない。
そんな悩みを抱える7月上旬であった。
※ 誰もが緊張する面接です。攻略のコツは面接官も基本的に緊張していると言う事と、相手の質問に対してスマート(簡潔に伝える)事が攻略の1歩です。
言い方が悪いですが、ぶっちゃけ面接は慣れ9割です。
なので、就活や転職活動の際は、行く予定は無いけど本番の雰囲気に慣れる必要がある為、学校や転職エージェントの面接練習も良いですが、実際会社に訪問を行い捨て面接を何回も行う事が成功の近道だと考えてます。