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落ちこぼれの少女、世界最強を宿して無双する〜元素魔法が強すぎて世界の奴らがまるで相手にならないんだが〜  作者: エーカン
二章 ブレイザード王国編

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三柱イー二との闘い

 ブレイザードの王城の一室。窓の外を眺める女王カゾエがいる。


「派手にやりおって、馬鹿ども。憲兵に任せておけばいいものを」


 流石に奴らも憲兵を殺すほどに愚かではないだろうが。


「イー二、ミーニ、マイニ―、あまりやりすぎるなよ」


 カゾエがテレパシーを三柱に送る。それを受け取った銀髪の女がニヤッと笑う。


「心得ています」


 そういうなり、エリスに殴りかかる。エリスはそれを両手で受け止める。


「ぐっ」


 今までに感じたことのない衝撃がエリスの身体を伝う。


「へえ、受け止めるんだ」


 銀髪の女——イー二が感心したように呟く。エリスが手を掴んで思い切り引き寄せて、イー二の顔面に頭突きをくらわせた。


「いだっ!」


 イー二が吹っ飛んで壁に叩きつけられる。すぐに鼻血を拭って立ち上がるイー二をエリスがキッと見据える。


「君、想像以上だよ。あたしが思ってた以上に楽しめそう」


 イー二が笑いながら言う。一方のエリスは硬い表情を崩さない。


「楽しいものか、命のやり取りだぞ」


「この世でどれだけの人間が命のやり取りができると思ってるの?たいていの人間が一方的に奪い一方的に取られるだけ。なんにも楽しくない」


 イー二が肩を回しながら言う。


「命のやり取りが出来るのは選ばれし人間の特権なんだよ」


「.......話が通じないな」


「通じる必要ないもん」


 イー二が親指を立てて上を示す。


「ここじゃ狭いよね、うえでやろうよ。どうせ飛べるんでしょ」


「望むところだ」


 イー二がギルドの天井を突き破って飛び上がる。エリスも後を追って飛び上がる。


 二人がぶつかり合うたびに発生する衝撃波が地上を震わせる。


「三柱と互角に戦える人間がまだいたとは.......」


 憲兵隊長が信じられないといった様子で呟く。ギルドマスターも啞然として上を見上げている。


 『かなり手加減しているとはいえ、イー二と互角。あのような人間がいるとは、このミーニ、まだまだ見識が浅いようで』


 黒髪ロングの女——ミーニが憲兵隊長のそばから離れ、空を仰ぎながら金髪の男——マイニーの側に歩み寄る。


「今の所、イー二の攻撃は一発も当っていない。あの女、何者だ」


「さあ、本人に聞いてみればよろしいんでなくて?とはいえ、やっと脅威になりそうな敵が現れましたわね」


「あの女も討ち入りに参加するのか?」


「さあ?でも喉から手が出るほど欲しい戦士でしょうけどね」


 二人は黙りこくって勝負の行方を見守る。




 空での戦闘は過激さを増していた。拳が、脚がぶつかる度に破壊的な衝撃が発生する。エリスのパンチがイー二の鳩尾にヒットする。


 イー二が吹っ飛んでいく。その真上に瞬間移動のごとき素早さで移動し、両手を組んで思い切り振り下ろす。


「ちいっ」


 イー二が地面に叩きつけられる。石畳が大きく割れ、破片が飛び散る。


「容赦ないねぇ、ま、容赦する理由は無いか」


 イー二が余裕そうな笑みを浮かべる。


『イー二、引きなさい。もう充分よ』


 ミーニからのテレパシーを受けたイー二がため息をつく。


『遅いよ、手加減難しいんだから』


 テレパシーでそう言い返したイー二がフッと姿を消す。ミーニとマイニーも姿を消す。


「き、消えた!」


 ユリィが辺りを見渡す。エヴァンも辺りを警戒する。


「奴らは撤退したようだ。まさかそんなことが起きるとは思わなかったが」


 憲兵隊長が立ち上がりながら言う。ユリィが気遣う。


「ケガは大丈夫ですか?」


「気にするな、このぐらい」


 額に脂汗が光っている。エリスが戻ってくる。


「逃げられてしまった。やはり魔族、一筋縄じゃいかないみたいだ」


「お前でもか.......」


 エヴァンがぽつりとつぶやく。


「それはそうとお前たち、話がある」


 辺りをいつの間にか憲兵隊が取り囲んでいる。憲兵隊長がギルドマスターに目くばせする。するとギルドマスターは頷いてどこかへ行ってしまった。


「ついてきてもらうぞ」


 憲兵隊長が冷たく言い放つ。



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