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STORIES 015:ふたつの手

作者: 雨崎紫音
掲載日:2024/01/27

STORIES 016

挿絵(By みてみん)



毎日眺めるそれは、老いを最も感じさせる部位かもしれない。


皺が刻まれ、小さなシミが増えてゆき、張りや透明感がくすんでゆく。


そして、ため息。


.


仕事柄、僕は野外に出ていることが多い。

趣味もそうだ。

実はインドア志向ではなく、外が好き。


顔や肩から先は、極端に日焼けしたりする。

まだらな身体。

黒い手の甲。


カッコよくない。


.


幼い頃の火傷の痕。

どこかに引っ掛けた古傷。

弦を押さえていて硬化した指先。

格闘技で酷使、変形した拳頭。

すぐマメだらけになる手のひら。

不恰好な爪先。

ゴツゴツと節が目立つ指。

浮き出た血管や筋。

緊張すると手汗もかきやすい。


男らしいといえば男らしい手、なのかな?


.


普段は気にしていないけれど、写真に写ったりすると嫌な部分が気になる時もある。


だから、手を差し出されたりすると、少し躊躇う時間ができてしまう。


気恥ずかしくて。

決して握手が嫌な訳ではないのに。

でも…他人の身体に触れるのは緊張するかも。


握手を求められること、実はかなり多い。

音楽で繋がった人たちとか、趣味を通じて仲良くなった人たちとか。


その場面はとても印象深くて…

その人の笑顔と差し出された手は、心に残りやすい。


だからこそ、自分の手も気になってしまう。


.


あなたも自分の手が好きではないと言う。


整えられた指先。

しなやかで長い指。

鮮やかなネイルカラー。


僕はとても好きだけどな。


たとえ、生きてきた証が少しずつ刻み込まれていたとしても、それはその人だけの個性と魅力。

恥ずべきところは何もない。


それは、とても素敵なあなたそのもの。

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