1年ぶりに帰還したら部下が断罪されだしたのだが
それは、突然のことだった。
帝国の皇太子である第二皇子、シザール・ブランタールは本来皇家とその婚約者と護衛騎士のみが登ることの出来る白のホールの壇上に奇抜な格好をした令嬢をエスコートしながら立って下に向けて指を指した。
「アイリス・ロベリア、俺はお前との婚約を破棄する!」
シザールの指先は本来彼のエスコートを受けて城に入城するはずだった公爵令嬢アイリス・ロベリクに向けられている。
「私達の婚約は、国王陛下が決定なさったものです。それを理由もなく勝手に解消することは出来るのでしょうか?」
アイリスは呆れながらも声を大にして言った。
…なるほど、彼女はこの事態を予測していたらしい。
「理由ならある!それは、今私の隣にいる聖女マリア・リリアが庶民であると言う理由で貴様にいじめられたからだ!そうだったな、マリア!」
「はい!アイリス様はマリアが庶民だからと文句を言ってきたり、大切な物を盗んで来たり、マリアをわるーい男の人に襲わせようとしてきたんです!!マリア、怖かった…!」
「マリア、心配しないで良い、君は、俺が必ず守ってやる。」
「シザールさま…!」
…何を見せられているんだ、我々は。
「はっ。」
公衆の前であるというのに思わず乾いた笑みを漏らしてしまった。
それが聴こえたのか、アイリスが申し訳なさそうな顔をする。
「王家は第二騎士団に喧嘩を売りたいのか…?根拠のない妄言をペラペラと…!」
「うちのアイリスに文句つけやがって!」
「そもそも第二は庶民も多いし、なんなら貧民街出も居るんだぞ!」
「うちの団長も庶民だが、こんなにカッコいいのに…!」
「気持ち悪りぃくらいベタベタしやがって!!」
アイリスが肩身の狭い思いをしているのが気にくわないようで、後ろに控えたいかつい見た目の部下たちは小声で愚痴を漏らす。
「…マリアさんとは、聖女候補としてマナーがなってないところを注意させていただいただけですわ。そして、他のことについては私には覚えがありませんが、証拠はございませんの?」
アイリスは気品を崩さずに堂々と答えた。
後ろから、きゃっ、と野太い声が聞こえる。振り返ってもどうせ厳つい見た目の男どもが顔を赤く染めているだけなので聞こえないふりをする。
シザールは奥歯をグッと噛んだ。
「小賢しい女が!!お前は死刑だ!!」
皇子がいきなり剣を抜き、階段から飛び降りる。
まさかこのままアイリスを殺す気か…!?
流石のアイリスも、目を見開くている。あれでも、シザールは剣術の加護を受けており、帝国でも5本の指に入るほどの実力者だ。仕方がない、そう呟き、 私は、即座にに魔法を放った。
キンッと音がしてシザールの剣が弾かれる。そのままシザールは後ろに下がった。
「シザール様!!」
マリアが下まで降りて、シザールのもとによった。
皇太子が弾き飛ばされたにもかかわらず、周りの騎士団連中はうおおおー!!!と歓声を上げて喜んだ。
…まったく、自制の出来ない奴らめ。
はじめまして、ひげでございます。
作品が面白そう、などと思われた方はぜひ高評価よろしくお願いいたします。
頑張って参ります。
よろしくお願いいたします。




