詩を忘れた女はその理由を探し回る
YouTubeとTwitterとランサーズとクラウドワークスの検索。それに特化して、ろくに本も読まず、仕事にも行かない。
そして、女の頭の中は空っぽになってしまった。
過去に書き溜めた自分の文章を読み返して、本当に同一人物のものか?と疑うことしかり。
人と会話することもめっきり減って、小さく縮こまって毎日を生きている。
「待って!昔は私、どうしていた?」
本が読みたい!海外SFとか、サイエンスものとか、ミステリとか、偏ってはいたけれど、読んでインプットすると、アウトプットできていた。今は、生活費を切り詰めて仕事をしないせいで本が買えない。
長時間起きていられず、眠り病のようになってしまって、もしこのままこれを放っておいたら、冗談抜きでそのまま死ぬかもしれない。
女はネットサーフィンをやめて、短期間の仕事をさがし、面接を受けた。朝起きれないのを努力して起きて、生活パターンを整えるところから始める。
「もう一度、生きよう」
生きて詩をうたおう。それこそが生きるのぞみなのだから。