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塔のこぼれ話  作者: 炯斗
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農園の話

塔では機能が集約されている階層がある。工業層や商業層、学生及び職員の住む寮層などだ。中~上層階は魔術師協会の領域で、協会員しか立ち入れない。

農業層は中層階にある。何区画にも分かれ、様々な気候や土壌を再現して家畜や野菜を育てている。

そんな農園では今、新たな計画が立ち上がろうとしていた。南国区画(エリア)の新設計画である。現状100%輸入に頼っているオヘレルを、自国でも生産しようというのが主な目論見だ。勿論ルガッガやヌァバの自給も目指す。だが、高価且つ塔で需要のあるオヘレルの自給が一番の目標である。

試験的に区画が用意され、人員が配属された。チームは大きく三つに分けられ、気候管理部に陽光班・気温班・気圧班、土壌管理部に地質班・水質班、植物管理部に病理班が作られた。他の既存の区画と同様である。

オヘレルの苗や種子の輸入交渉は難航している。幾ら場を設けても、それが無ければ始まらない。試験区画では試しにルガッガの育成を試みることとなった。

南国の環境設定にあたり、先ずは占術局に要請を出し、必要なデータを受け取る。今回チームに実際にネツァク域の農地を訪れた経験のある者は居らず、このデータを信用するしかない。これを元に、実際の植物の育成状態などを確認して微調整していく。

先ずは気候管理部が調整を終えると、チームの皆は呆然とした。暑い。あまりにも暑い。まるで人が生活できる環境とは思えない。こんな中で農作業など死の危険を感じる。北方高地の人間にはその環境は驚愕だった。土壌管理部の要望により、気候設定は一時解除され、その間に地質の設定が行われた。

植物の導入を待たずして、問題が浮き彫りになった。この区画の維持にはとてつもない費用がかかる。ルガッガとヌァバだけでは赤字だろう。それでも、オヘレルの栽培に成功したならばなんとか採算は取れるだろう。採算度外視の試験運用を行うか否か。

度重なる会議の末に出た結論は「延期」だった。赤字を出しながら運用したとして、仮にルガッガとヌァバの栽培に成功しても、オヘレルの輸入交渉に失敗すれば、栽培が上手くいかなければ、大変な損失となる。環境の準備は出来ているのだ。試験運用はオヘレルの輸入の目処が立ってからにするべきだろう、というのが計画に携わる者たちの総意だった。


チャンスは意外と直ぐに訪れた。

ランパスの神殿から、協会に『協力要請』が届いたのだ。

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